イギリス留学 at KCL

英国キングスカレッジロンドンの戦争学部修士課程に在籍する予定の者です。

2021年に入学を検討される方に

「どのMAにするかによって必修授業が決まり、しかも必修授業は戦争学部の他のMAの生徒はとる事が出来ない」

 

という事を今一度頭に入れてから出願してほしいです。自分は知らなかったので。例えば戦略コミュニケーションStrategic Communicationsという、大雑把に言えば国家がどの様に情報を操作して自国や国際社会の世論に働きかけ(or操作し)自国の利益を得るか、という面白そうな修士課程が戦争学部内にあるんですね。詳しくは以下の記事参照。記事の中でKCLのこの修士号についても言及しています。

business.nikkei.com

キングスカレッジロンドンのこの修士課程はNATOの戦略コミュニケーションセンターと繋がりがありそこでインターンする機会もあります。ここは露プロパガンダ対策に力を入れているらしいです。

このMA、必須授業が二つもあり、選択授業を一つで一年が終わってしまうというとても専門性の高いものです。他のMAは必修授業が1つで選択授業が2つです。

フェイクニュースとか選挙介入とか色々言われる世の中なので、メディアや世論が外交や安保に与える影響と国家間の情報戦について大変面白い事が学べると思い、自分はMA War StudiesよりかはこのMA Strategic Communicationsに出願すればよかったと少し後悔しています。

 

勿論MA War Studiesはより戦争や安全保障理論について詳しく学べますのでこの点ではとても満足しています。特にContempotary Conflictsという授業が素晴らしいです。Simon Anglimさんという方が担当しており、政治と戦争の関係に重点を置き、戦争理論が実際の近年の紛争や戦争にどの様に適応されているのかを具体的に学んでいます。毎年の最も人気のある授業の一つのようで、運よくこの授業を取れてとても満足しています。

 

ただ、授業の種類の点では、この分野で英国で最も進んでいると言われているKCLの戦争学部でも米国のトップ層には太刀打ちできないと思います。ジョージタウン大学、ジョージワシントン大学、コロンビア、SAIS、フレッチャー、ハーバード等の、外交安保政策で高い評価を受けている米国の名門大学に進学できるのであればその方がいいです。

 

最後に、課題の量やリーディングの量について。

平均して一日に約50-80ページ程のリーディングをこなす必要があると思います。これはIETLSでリーディングを終わらせるのに苦労していた方からするととんでもない課題だと思います。交換留学の経験無しにいきなりここに放り込まれるのはなかなかきついと思います。

 

そうは言っても別に読むだけだとしたらどうにかなるのですが、理解して論理の流れや論の構造を把握して80ページ読むのは大変疲れます。ただし、コアリーディングだからと言って別に読まなくて困ることは実は無いです。オンラインのレクチャーの場合、発言せずに黙っていればいい話ですので。自分も実はコアリーディングは論文を一つ読むくらいにしてどんどんエッセイを進めています。というか5千、3千、2千字のエッセイ提出が11月の末までにあるのでもう全力で進めないとあとで死にます。

 

KCL War Studiesの授業を幾つか紹介

今年の選択授業リストが公開されたのでここでシェアしようと思います。後半ではでは戦争学部を受験する上で知っておくべきことをいくつか列挙していこうと思います。

最後には特に面白いと思う授業をいくつか詳しく紹介します。

 

選択授業一覧

Full Year Modules (40 Credits)

 

7SSWM005 The Entente At War

7SSWM013 War And Insurgency In The Middle East Since 1945

7SSWM024 Transdisciplinary Approaches To (In-) Security (Running TERM 2 to TERM 3)

7SSWM049 International Law And War

7SSWM053 Homegrown Radicalisation & Counter-Radicalisation In Western Europe & North America

7SSWM082 Political Violence, Counterterrorism And Human Rights

7SSWM086 Dirty Wars      

7SSWM088 Understanding Political Islam: Theories, Thinkers And Movements

7SSWM109 Navies And Sea Power, 1793-2000

7SSWM110 East Asian Security

7SSWM111 Proliferation And International Security

7SSWM113 Russia And The World

7SSWM117 Contemporary Conflicts

7SSWM125 Diplomacy & Foreign Policy

7SSWM135 Past And Present Of British Intelligence

7SSWM171 Comparative Civil Wars

7SSWM191 International Politics Of The Middle East

7SSWM333 Migration, Social Justice And Community Organising

 

Term 1 Modules (20 Credits)

7SSWM077 Armchair Intelligence - Open Sources And Online Investigation

7SSWM130 Power-Sharing Agreements In Deeply Divided Societies

7SSWM131 The Politics Of Nuclear Weapons In The Middle East [OUTLINE TBC]

7SSWM132 Cybersecurity: Comparative Policy And Strategy

7SSWM163 Ethics In International Relations

 

Term 2 Modules (20 Credits)

7SSWM018 The Yugoslav War and Succession: Contested Issues and Debates [OUTLINE TBC]

7SSWM048 Social Dimensions Of Terrorism

7SSWM068 State Failure And Statebuilding

7SSWM121 Audience And Population Behaviour & Influence Only available for MA Strategic Communications Students

7SSWM122 Political Marketing In The Digital Age Only available for MA Strategic Communications Students

7SSWM134 Technology, Security And Global Politics

7SSWM223 Transitional Justice And International Criminal Law

7SSWM326 Hacking For Defence (Introductory Video available HERE)

Term 3 Modules (20 Credits)

7SSWM012 Propaganda TERM 3

7SSWM325 Understanding Deterrence In Theory And Practice TERM 3

 

上のリストに加えて各MAの必修授業があります。

総クレジットが120になる必要があります。Full Year(通年)の授業は40クレジット、半期の授業は20クレジットです。必修授業は通年授業であるため、それに加えて通年授業を2つとるか、通年授業1つと半期授業2つを選ぶ必要があります。

ちなみに半期授業4つという選択肢は出来ないです。これはただの決まりです。

 

 

 

以下僕の知っておきたかった事。

 

・戦争学部の他の修士課程の必修授業は取れない

これが一番のショックでした。例えばMA Intelligence and International Security(諜報と国際安全保障)というMAコースの必須授業はIntelligence in War and Peaceといってかなり面白そうです。しかしこれは戦争学部内の他のMAの学生は選択授業として選ぶことが出来ません。

 

他のMAコースの学生でもとる事の出来る授業は存在して、

MA History of WarMA National Security StudiesMA Science and International Securityの選択授業はWar Studies修士課程の学生なら誰でも選択可能です。

また、MA War Studiesの必須授業はMA History of Warの学生のみ選択可能です。

 

これは毎年そうなのか、コロナなどもありこれらのMAに学生があまり集まらなかったためスペースがある為にこうなっているのかは分かりません。ただ、基本的にはほかのMAの必修授業は取れないと考えた方がいいと思います。

 

という事なので、出願の時点でどの必修授業を選びたいが決める必要があります。自分の場合は取り敢えず一番オーソドックスなMA War Studiesを選んでおけば選択の幅が広くなるだろうと思っていたので少し計画が狂いました。ただ結局MA War Studiesの必修授業であるTheory and Practice of Warが他のMAコースの必修授業と比較しても一番興味があるのでこのコースを選んだのは間違いなかったと思っています。

 

 

・南アジアの安全保障を扱う授業が一つも無い。

実は数年前まではMAコースでMA South Asia and Global Securityという面白そうなものがあったのですが消滅しました。KCLにはIndia Instituteというインド研究所があるのですが、この研究所が提供している授業を実は一つも取れません。数年前までは取れたようですが、このインド研究所とLau China InstituteAfrican Leadership Centreが新しく立ち上げたMSc Global Affairsなる修士課程のコースが設立されたのでここの学生がインド研究所の授業を取れるようになったようです。これはKCLWar Studies Department外にあります。この為インドや南アジアについて学びたいと考えている人はKCLWar Studies は向いていないと思います。

 

 

・直前までその年の選択授業が分からない。

このせいでKCLに進学するか他の大学院に進学するか決めるのが難しいです。

 

・事前にKCLの教員紹介ホームページで書いていなかった授業を担当している教授がいる。

David Betzという人がMA War Studiesの必修授業の後半を担当することになりました。ただ嬉しい誤算なのは、Navies and Sea Powerという授業を担当する教授がAndrew Lambertという大変有名な海軍史の教授だと判明したことです。これは自身のページにも書いておらず、他の誰かが教えるなら取るのは止めようと思っていたので大変嬉しいです。

 

 

 

今回の投稿では自分が取ろうか迷っているor面白そうだと思っている授業を少し詳しく解説します。

かなりの部分か先週から修士学生のみアクセスできるようなった各授業のページからのコピペなので英語なのは許してください。この量を訳すのは少し面倒なので。

 

 

今年の選択授業で今取ろうか悩んでいるのは以下の5つで、ここから2つに絞る必要があります。順に解説します。

Contemporary Conflicts(現代の戦争)

National Security Strategy(国家安全保障戦略

The Entente at War第一次大戦史)

Navies and Sea Power(海軍とシーパワー)

East Asian Security(東アジア安全保障)

 

 

 

Contemporary Conflict(現代の戦争)

これは英語のStrategy Bridgeというホームページで教授本人が詳細に解説してますのでそれを参照してください。“Teaching Practical Strategy: The Contemporary War and Warfare Course at King’s College London Simon Anglim”と検索して頂ければ一番上に出ます。

一番の特徴は「Theoryを教える授業ではない」ということでしょうか。これは本人が上で紹介したページで話しています。Theoryでは無くApplied面を学ぶ授業で。理論がどの様に現代の軍事作戦や戦争で計画、実行されるのかなどを学びます。授業名としては「How War Works」の方が適しているかもしれないと本人は書いています。

最後の4週はチームを組んで、実際の最近の事例、ウクライナ危機、ナゴルノカラバフ紛争、アフガン戦争、シリアの四つの事例を取り上げ、この授業で学んだ知識を総動員し自身のチームが政府の政策立案者としてどの様な戦略を提案するのかというプレゼンを行います。

MA War Studiesの必修授業で戦争や戦略学についての理論的面を深く一年間学ぶので、それの応用として、より実践的(?)知識を身に着けるという意味でこの授業が適していると思うのでとても興味があります。

少し気がかりなのは、現代の戦争全般を扱うと言いながらも扱う範囲が特殊部隊や対ゲリラ、アフガンやイラク、シリア、ドローン、ロシアのハイブリッド戦、テロとの戦争などが中心だとの印象を受ける点です。今後の安保の中心事項と思われる大国間競争は扱わず、海軍にも触れないようです。

これは英国軍の近年の活動範囲が中東やアフガンに偏っている為、実際の戦争を学ぶという授業の趣旨からは仕方のない事だと思います。さらに、担当教授のDr Simon Anglimさんの研究対象が1930年代から現在までの英国軍、特殊部隊の戦術、Unconventional Warfareなのも影響しています。

 

東アジアの安全保障を理解する為の授業ではないと思うのですが、中東やロシア周辺部、アフリカで盛んにおこなわれているUnconventional Warfareを理解するために役立つ授業かなと思います。

 

 

採点方法は50%が4000字エッセイ、残り50%が上で書いたグループによる近年の戦争における政策立案。

エッセイの内容は以下から一つ自分で選びます。どの様な内容を学ぶのかの具体的に分かると思います。

  • Why is the distinction between war and warfare relevant? What are the practical implications for today?
  • What is the ‘utility of force’ in the 21st century?
  • To what extent is strategy a function of leadership?
  • Have Western powers lost the art of strategy?
  • How have the challenges facing senior military commanders changed since the end of the Cold War?
  • Why has airpower become a favourite instrument of choice for modern political leaders despite its apparent lack of decisiveness?
  • Are so-called ‘Special Forces’ capable of achieving strategic effect on their own?
  • What are the problems and issues arising from ‘remote warfare’?
  • What are the central civil-military challenges facing a certain country?  (You choose which country)
  • To what extent have the media and/or social media shaped the conduct of a contemporary conflict? (You choose which conflict)
  • Winston Churchill once argued that the only thing worse than going to war with allies is going to war without them.  To what extent is that true today?
  • What are critical policy and strategy traps as external powers deal with host nations?  OR What are critical traps host nations should consider when asking for external support?
  • How has the nature and role of military intelligence changed in the 21st century?
  • Is there anything really ‘new’ about the post 9/11 ‘War on Terror?’
  • Why have the Taliban not been defeated in Afghanistan?
  • To what extent are modern military operations ‘intelligence driven’?
  • To what extent is the distinction between enemy-centric and population-centric operations useful?
  • How successful were British military operations in Helmand from 2006-2009?
  • Does the Russian intervention in Crimea since 2014 demonstrate a ‘new way in war’?
  • Why were ISIS defeated in Iraq?
  • Assess the critical strengths and limitations of U.K., U.S., or one other nation or actor’s decision-making process. (You choose which)
  • In what ways, if any, can behavioural economics and psychology help an analyst influence the decision-making process?

 

 

残りの詳しい内容は上のページ“Teaching Practical Strategy: The Contemporary War and Warfare Course at King’s College London”に任せるとして、ここでは全21週の週ごとのテーマを羅列しましょう。数字は週を示し、担当教授のDr Simon Anglim以外の名前はゲスト講師の事です。

 

1. Key Terms and Concepts: War v. Warfare, Policy, Strategy, Operations – Dr Simon Anglim – w/b 28 September 2020

 

2. Strategic Leadership – Dr Simon Anglim – w/b 5 October 2020             Seminar Question: What are the most dangerous conflicts in the world today?

 

3. Technology, culture and war: the rise of the RMA – Dr Ofer Fridman w/b 12 October 2020     Seminar Question: Are there any such things as ‘revolutions in military affairs’?

 

4. America’s War on Terror from Bush to Trump – Professor Peter Neumann – w/b 19 October     Seminar Question: Is it possible to wage war on a tactic?

 

5. Civil-military relations and strategy – Brigadier Ben Barry – w/b 26 October 2020     Seminar Question: How far should political leaders be involved in the conduct of war?

 

6. Command in war – Lt General Jonathon Riley – w/b 2 November 2020    Seminar: Major Sean Cronin-Nowakowski on Company Command in Afghanistan (TBC)

 

7. Why have airpower and special forces become the politician’s instruments of choice? - Dr Simon Anglim – w/b 9 November 2020     Seminar Question: Is ‘remote warfare’ really such a cheap and easy strategic option?

 

8. Alliances and coalition warfare – Lt General Jonathon Riley – w/b 16 November 2020    Seminar Question: What are the major issues arising from working with allies?

 

9. Media and war – Dr Simon Anglim – w/b 23 November 2020     Seminar Question: How important is narrative in modern war?     10.  Black Swans and Thinking the Unthinkable - Nik Gowing (TBC) – w/b 30 November 2020     Seminar Question: How can governments deal with the unexpected and unprecedented?

 

11. Intelligence in Modern Military Operations, with special reference to NATO – HQ Allied Rapid Reaction Corps Speaker TBC – w/b 7 December 2020       Seminar Question – What are the main issues relating to military intelligence in the 21st century?

 

12. Insurgency, counter-insurgency and armed rebellion, myths v historical realities – Dr Simon Anglim – w/b 18 January      Seminar Question: Policy Recommendation Briefing with Dr Anglim and Captain Giles Moon (latter TBC)

 

13 Special Forces in the 21st century – Dr Simon Anglim – w/b 25 January       Seminar Question: Can Special Forces achieve strategic effect on their own?

 

14. Drone Strikes and Targeted Killings – Dr Jack McDonald – w/b 1 February       Seminar Question: How valid are targeted killings as a strategy?

 

15.  Russian strategy and the rise of ‘hybrid war’ – Dr Ofer Fridman – w/b 8 February       Seminar Question: Do ISIS have a strategy?  If so, what is it?

 

16.  Afghanistan I: airpower and allies, 2001-02 – Dr Simon Anglim – w/b 15 February       Seminar Question: Why, despite its initial success, did the 2003 US-led invasion of Iraq lead to insurgency and civil war?

 

17. Afghanistan and Iraq, 2001-2014 Brigadier Ben Barry – w/b 22 February       Seminar Question: Why have the Taliban proven so hard to beat?

 

18. Policy Recommendation Session I – Afghanistan, October 2001 – w/b 1 March

 

19. Policy Recommendation Session II – Nagorno-Karabakh, September 2020 – w/b 8 March

 

20. Policy Recommendation Session III – Syria, September 2020 – w/b 15 March

 

21. Policy Recommendation Session IV – Russia versus the West, September 2020 – w/b 22 March

 

 

 

National Security Studies(国家安全保障戦略):

英国や米国、ロシアが策定する文書、国家安全保障戦略National Security Strategy)の役割、黒海安全保障局(National Security Council)の成り立ちや役割、、政府内の意思決定や政策実行等を学ぶとても実務的な授業です。

教える教授3人のうち一人はProfessor John Gearsonといって、Fuculty of Social Scienceの副学部長兼、Centre of Defence Studiesの所長です。この人プロフィールに書いてありますが、議会でTthe principal defence policy adviser to the Defence Select Committeeとかの役について、イラク戦争、英国の防衛政策について様々な仕事をしていたそうです。あとthe 2010 UK Strategic Defence and Security Reviewという米国でいうNational Defense Strategyの英国版の作成にも関わっているようです。という事で実務家としてまさしくこの分野を担当された方で大変経験豊富です。

もう一人の担当教授はDr Joseph Devanny。専門は国家安全保障戦略国家安全保障局National Security Council)とこれらに与えるインテリジェンス分析の役割。これもまさに自身の専門の授業を担当しています。

最後の一人はDr Nina Musgraveさんでカウンターテロリズムの専門家。9/11以後は英国のNSCは対テロが主軸となったのでこの授業の内その部分を担当されるようです。

 

以下説明文のコピペ。

 

Overview

The Department of War Studies’ ‘M’ level module for 2020/21 on National Security Studies (NSS) is a twenty-week programme of teaching which builds on a long heritage of courses delivered by the Centre for Defence Studies (CDS) at King’s College London. It has been designed for students and practitioners who wish to develop knowledge of national security strategy, decision-making, policy implementation, systems of accountability and oversight. 

 

The programme runs across the first and second semesters. Its starting point is an introduction to the historical, conceptual and practical dimensions of the UK’s development of a comprehensive ‘national security approach’, providing the basis for understanding the contemporary practice of national security strategy in the UK. The programme then develops both a thematic and an international comparative perspective, introducing national security case studies that focus on specific national security topics or practices from other countries. Over the course of twenty weeks, participants will hear a range of perspectives on the strategic and operational aspects of national security strategy and decision-making. The module will be delivered by the course convenors, Professor John Gearson and Dr Joe Devanny, and the Course Tutor, Dr Nina Musgrave. In addition, the course benefits from a series of guest lectures from a range of leading current and former national security policy specialists and practitioners, from the UK and overseas.

 

The UK Government’s structures and mechanisms for cross-government working in the national security field have evolved significantly since the 11 September 2001 terrorist attacks. The module will establish the development of the UK’s contemporary approach to national security and introduce participants to the conceptual history of policy-making within this area. Many new innovations have been initiated, including: the development of the UK’s counterterrorism strategy (CONTEST); the publication of the country’s first National Security Strategy in 2008; and the establishment of the National Security Council in 2010. There has been increasing recognition that the UK government should coordinate its national security activities more coherently and effectively, for example through the ‘fusion doctrine’ first announced in 2018. This module enables participants to understand and engage in contemporary debates about what constitutes an effective national security strategy.

 

Students will be provided with an intellectual framework for understanding the contested concept of ‘national security’, and develop knowledge about key areas of national security, such as counterterrorism, cyber strategy, resilience, and the integration of global health security into national security strategy. The programme considers other key areas of national security, including the effectiveness of legislative oversight arrangements and the state’s growing engagement with the private sector in pursuing its national security objectives.

 

 

採点方法は4000字のエッセイを2本で各40%、プレゼンが20%です。

エッセイのタイトルはもう判明しており、以下の20個から二つ選んで前期と後期の半ばに提出します。これらはどの様な内容を学べるのか、どのような事を理解できるようになるのかの指標になると思います。

  1. What is ‘national security’? Explain the concept and what you think should and should not be included in it from a strategic perspective.
  2. Is international relations theory useful for the analysis of national security strategy? Discuss with reference to at least one country case.
  3. Should the 2010 creation of a UK national security council be regarded as a successful innovation?
  4. Was the 2015 UK national security strategy (NSS)/strategic defence and security review (SDSR) an improvement on the 2010 NSS and SDSR?
  5. Is legislative oversight of national security in the UK sufficiently robust and effective?
  6. Is foreign investment in critical national infrastructure a national security issue?
  7. To what extent has UK counterterrorism strategy since 11 September 2001 evolved? Is it an effective strategy?
  8. Both the UK and US governments use a national security council system. Which of these systems provides a better platform for effective national security strategy?
  9. Should other states emulate the US cyber strategy of ‘persistent engagement’?
  10. Is cyber deterrence possible?
  11. Is the importance of a rules-based international order a tenet of national security strategy for Great Powers? Illustrate your answer with reference to at least two Great Power states.
  12. Do small states face unique challenges in national security strategy? Support your answer with critical analysis of at least one country case.
  13. To what extent does the UK approach to national security strategy successfully integrate Air and Space Power?
  14. Critically assess China’s national security strategy. Does it make China safer?
  15. Is there a ‘Trump Doctrine’ in US national security strategy?
  16. Did the 2019 general election represent a critical juncture for UK national security strategy?
  17. Is there a narco-terror nexus and how should states address it if there is?
  18. Critically assess the process of the 2020 UK integrated review of foreign policy, defence, security and international development. Will it improve the effectiveness of UK national security strategy?
  19. Will the net effect of ‘Brexit’ be positive or negative for UK national security?
  20. What are the implications of the coronavirus pandemic emergency for national security strategy?

 

 

そして以下が毎週ごとに扱うテーマです。数字は週を示します。()内の人名は担当講師。結構な数のゲスト講師が来ることが分かりますね。

  1. Introduction to the national security approach (Prof Gearson)
  2. Introduction to the module (Dr Devanny & Dr Musgrave) [pre-recorded]
  3. National Security and International Relations Theory (Dr Joe Devanny) [pre-recorded]
  4. The creation of the national security council (Prof Lord Ricketts) 
  5. Intelligence and National Security (Prof Lord Evans)
  6. The 2015 National Security Strategy (Prof Sir Mark Lyall Grant)
  7. READING WEEK (no classes)
  8. US National Security Strategy (Dr Kori Schake)
  9. Afghanistan Strategy (Prof Tim Willasey-Wilsey & Dr Philip Berry)
  10. National Security risk management (Prof Sir David Omand)
  11. National Security Simulation (Lady Moira Andrews)
  12. Strategy and Pandemic Emergencies (Prof Sir Lawrence Freedman)
  13. Strategy for Small States (Dr Hilary Briffa)
  14. Defence, Strategy and Decision-making (Margaret Aldred)
  15. Strategic Defence and Security Reviews (Prof Will Jessett)
  16. China's national security strategy (Prof Kerry Brown)
  17. READING WEEK (no classes)
  18. Foreign Policy and Intervention (Prof Sir John Sawers)
  19. Air and Space Power & National Strategy (Dr David Jordan)
  20. National Cyber Power (Dr Joe Devanny)
  21. CSSF and adaptive strategy (Dr Liane Saunders)
  22. Policy Briefing Event

 

 

Entente at War

Ententeとは第一次世界大戦三国協商の事です。講師のWilliam Philpott教授は第一次世界大戦の特に英仏が専門なのでこの二国に特に焦点を当てた授業です。

一年間ずっと第一次世界大戦の外交と軍事を学ぶものなのでかなり掘り下げられると思います。

 

採点方法はエッセイ提出を3回。全て3000字。以下のSection A B Cから一つずつ選ぶ必要があります。

 

Section A: Strategy and Policy

 

  1. Does the distinction between ‘Westerners’ and ‘Easterners’ have any value as a framework for understanding allied strategic policy in the First World War?
  2. ‘Germany was defeated on the battlefield, not the home front.’ Would you agree?
  3. Was there any realistic strategic alternative to concentrating allied military effort on the western front in 1916 and 1917?
  4. When and why did a strategy of attrition prevail in allied policy? Was there any realistic alternative for defeating the Central Powers in the First World War? 
  5. Why did the Salonika campaign cause so much tension in alliance relations?
  6. Analyse the problems of co-ordinating coalition war and the effectiveness of the solutions adopted.
  7. How well did the Entente manage industrial and economic effort?
  8. ‘It is better to have one inferior plan that all agree on than frequently to change plan.’ (Briand). Was this a valid principle for conducting coalition strategy and was it achievable?
  9. Maritime power did not decide the war, but the war could not have been won without it.’ Do you agree?
  10. ‘On its own, maritime blockade was not a war-winning strategy.’ Do you agree?
  11. ‘The strategy of a coalition will always consist to a large extent in badly synchronised compromises.’ (CRMF Crutwell). Is this an appropriate summary of the Entente’s way of making war?

 

Section B: National Strategy in Coalition War

 

  1. Analyse French strategic policy and its effectiveness in coalition war. 
  2. Why did Britain reject a ‘blue water’ strategy in favour of a ‘continental commitment’, and what impact did this have at home and abroad?
  3. Was Russia the ‘strong man’ or ‘sick man’ of the Entente?
  4. Was Italian policy compatible with that of her allies? 
  5. How compatible were the allies’ strategic objectives in the Mediterranean in 1915?   
  6. Analyse the impact of Italy’s defeat at Caporetto in 1917 on the alliance.
  7. Assess the impact of 1917’s Russian revolutions on allied strategy and policy. 
  8. ‘America won the war, even though Americans did little to win it.’ Do you agree? 
  9. Did domestic concerns or international ambitions count for more in strategic policy? Discuss with reference to one member of the allied coalition. 

 

Section C: Personalities and Strategy

 

  1. ‘Kitchener’s strategy was sound, but the circumstances of close alliance made it impractical.’ Discuss.
  2. To what extent should the Tsar and his generals be blamed for Russia’s military failure in the First World War? 
  3. Analyse Joffre’s effectivnesss as a coaltion leader, 1914–16.
  4. Did Italy’s leaders miscalculate when they joined the war?
  5. Did President Poincaré (or anyone else) provide effective political leadership in France before 1918?
  6. ‘Foch was able to lead the allied armies to victory in 1918 because he had learned how to manage coalition war.’ Do you agree?
  7. What impact did Woodrow Wilson’s ‘peace strategy’ (as encapsulated in his ‘fourteen points’) have on the objectives and strategic policy of the Entente?
  8. Analyse the relationship between one of the following pairs (or a pairing of your choice), and its impact on allied strategy: Churchill and Fisher; Kitchener and Joffre; Haig and Nivelle; Robertson and Lloyd George; Clemenceau and Foch.
  9. Did Lloyd George’s strategic policy do more harm than good after 1916?

 

 

 

 

Navies and Sea Power(海軍とシーパワー)

ナポレオン戦争から現代までの海軍史を扱いとても歴史重視です。これはKCLWar Studies では珍しいです。講師のAndrew Lambert教授は大変有名な方です。シーパワーをここまで深く扱う授業というのは珍しく貴重な機会だと思います。

最初に四つのテーマSeapower as culture and identity; Naval History and Strategic Thought; Contemporary Relevance; Seapower, naval power and the nature of naviesを学んだあとは以下の16個のテーマについてのセミナーで構成されます。

 

  1. How did Nelson use the Battle of the Nile, 1798, to secure the strategic objectives of the Campaign?
  2. Was sea power decisive in winning the Napoleonic wars (1803-1815)?
  3. Was Mahan’s Seapower in its Relation to the War of 1812 strategic argument or academic history?; OR Turner, Trafalgar and the Temeraire: How did British artists re-shape the national identity in the age of Nelson.
  4. What was the purpose of the Russian Navy between 1815 and 1854?
  5. Could the Confederacy have made better use of its naval assets between 1861 and 1865
  6. How did navies exploit the opportunities provided by new technology between 1815 and 1870?
  7. What were Mahan and Mackinder trying to do when they wrote The Problem of Asia and 'The Geographical Pivot of History' in 1900 and 1904?  Begin by reading Paul Kennedy’s chapter.
  8. Examine the proposition that modern naval history was created in the period 1880-1914 to serve the needs of contemporary navies, by referring to the career of one writer.  Chose one author, Mahan, Laughton, Colomb, Corbett or Richmond and assess the impact of their work?
  9. Arms Races and Strategy: What political and strategic objectives did Alfred Tirpitz set for his battlefleet.
  10. What opportunities were open to the Royal Navy for offensive operations in the North Sea after Jutland ? You should consider the overall strategy of the war, the submarine threat, economic warfare, minelaying and the Baltic ?
  11. How do you account for the different patterns of naval aviation development in Britain, Japan and the United States in the interwar period?
  12. Where there any strategic objectives behind Stalin’s naval revivals EITHER before OR after the Second World War ?
  13. Why did the allies win the Battle of the Atlantic in the spring of 1943?
  14. Why did the United States Navy win the Battle of Midway?
  15. The Post-Soviet Period: Division and Decay: What has happened to the former Soviet Navy since 1991?
  16. Chinese Sea Power: Myth or Reality?

 

 

 

East Asian Security

説明不要だと思うのですが、一応書いていきます。

講師は二人いて、一人目は日本のメディアでも結構見かけるアレッシオ・パタラーノさんです。日本と東アジアの安全保障が専門です。もう一人はDr Nicola LeveringhausNicolaさんと言う、中国外交と中国の核戦略が専門の方です。この授業は東アジアの特に中国と日本を中心に扱う様です。

日本の安全保障環境を理解するためにはこの授業が一番良いと考えているので取る予定です。

 

内容は以下の様になってます。

 

Term 1

 

Section 1: Theories & Debates

Week 1: Introduction to Strategies and Theories in the study of East Asia (NL and AP)

Week 2: The history problem in East Asia (NL)

Week 3: Regionalism and Regionalisation in East Asia: should there be an Asian NATO? (NL) Week 4: Can economic interdependence keep Asia safe?  (NL) Week 5: Beyond the land: maritime drivers of EA Security (AP) Week 6: Reading Week

 

Section 2: Issues & Dynamics

Week 7: Contending visions: Are the Indo-Pacific and Belt and Road concepts incompatible?(AP)

8: The ‘hub and spokes’ system: Why do alliances matter in EA? (NL)

Week 9: Nuclear weapons: Does deterrence work in EA? (NL)

Week 10: Naval capabilities: Do maritime disputes drive competition in EA? (AP)

Week 11: Communicating military power (Group student-led presentations, seminar style online) (NL)

 

Term 2

 

Section 3: Contemporary Strategic Issues

Week 12: Chinese Grand Strategy (NL)

Week 13: Economics of power: Chinese defence spending and economic statecraft (NL)

Week 14: Japan Grand Strategy (AP)

Week 15: Beyond Great Powers: South Korea’s Middle Power politics (Guest lecturer: Dr Ramon Pacheco Pardo)

Week 16: Non-traditional security in East Asia (AP)

Week 17: Reading Week

 

 

Section 4: Case Studies in EA security

 

Week 18: Nuclear Armed North Korea: How unstable is the Peninsula? (NL)

Week 19: Sino-Indian rivalry: Is there an arms race in EA? (NL)

Week 20: Cross Straits security: What is the potential for conflict? (NL)

Week 21: Europe and EA security: How should the UK be an EA security actor? (AP)

Week 22: Thinking about the future: Is US-China conflict inevitable? (NL)

 

 

 

 

日本の安保を考えるならば東アジア安全保障とシーパワーの授業で決まりかなと思っているのですが、KCLでしか学べないようなものも取ってみたいと考えると逆にそれ以外の授業を採る価値があるように思えてきます。これらの素晴らしい授業がそろっており、この中から二つか選べないというのは本当に残念です。

 

シラバスとか送ってほしい、実際に授業を受けてる人に話を聞きたいから紹介してほしい等ある場合は個別に言っていただければ対応します。

第二外国語を勉強すべきか英語だけに集中すべきか

英語以外にもう一つ外国語を学ぶべきか話したいと思います。

まだ将来の具体的なプランの無い学部生の方が真剣に第二外国語を学ぶべきか、それとも英語だけに集中して勉強すべきかについて書きたいと思います。

将来役に立つか、投資する時間に見合った利点があるのかという点から考えます。楽しいから第二外国語を学ぶ人や、その国の文化が好きだから勉強する等の趣味としての語学学習はここでは論じません。

まず自分の結論を。

「英語の勉強が辛いのでそれから逃げる目的で何か違う外国語を学ぶのはお勧めしません。英語がある程度のレベルに達してから、もしくはある程度までこれから到達する強い意思がある場合のみ、余裕があれば英語学習に加えてもう一つの第二外国語に取り組むべき。」

以下にそう考える理由を列挙していきます。



―英語から逃げないで

英語が出来ないので何か他の言語に手を出す場合、これはその言語も失敗する可能性が高いと思っています。もちろん英語よりも習得が簡単な言語は存在すると思います。ちょっと調べたところ、55言語を教えている語学学校のDILAというところが独自に日本人にとっての各言語の習得難易度を調査したものがありました。以下はコピペ。

グループ1
易しい

韓国語、インドネシア語スワヒリ語

グループ2
比較的易しい

トルコ語スペイン語、中国語、ベトナム語

グループ3
比較的難しい

英語、フランス語、ドイツ語、タイ語ギリシャ

グループ4
難しい

ロシア語、ポーランド語、ヒンディー語アラビア語



英語ってなんて難しいんだと思っている方は大量に存在すると思います。僕自身留学中に他の欧米言語の母国語話者が僕の2-3倍のスピードで英語を上達させていく様をみてなんて不公平なんだと思ったことが何度もあります。やはり英語は私たち日本人にとって難しい部類の言語なのだと思います。悲しいですが。

しかし、どの言語もある以上のレベルまで上達する為には面倒でつまらない作業をこなす必要が出てきます。何千単語もひたすら記憶したり、文法事項を暗記したり(英語の文法はとても簡単な部類に入ります。)、日本語にない発音を毎日鏡の前で練習したり、活用を覚えたりといった地味な作業は言語習得に不可欠です。このような英語習得の際にぶつかる壁というのは他の言語を習得する際にもほとんどの確率でぶつかります。

英語が出来ないから他の言語に手を出すというのは、上記のような作業が嫌いだと言うこと、つまりそもそも言語習得が向いていない可能性があります。いずれにしても挫折する可能性が高いと思っています。



―かなり高いレベルまで到達しなければ語学は役に立たない。

これには自動翻訳の発達が関係してくると思っています。現時点でも英語以外の欧米言語の記事を読みたいと思ったら、自動翻訳で日本語に訳しても大分不自然でない訳で読めます。言語的に近い英語に訳すとさらに自然な。訳になります。DeepLという自動翻訳を使った事があるでしょうか?この日英、英日の翻訳がかなりレベルが高いです。グーグル翻訳を遥かに凌駕しています。

現時点でもニューヨークタイムズなどの記事をこのソフトで自動翻訳すればかなりの精度で情報収集が出来ます。韓国語の記事も自動翻訳で日本語にすればとても快適に記事が読めると聞いたこともあります。

しかし自動翻訳だと細かいニュアンスなどが反映されない、などの問題があります。

一つの言語を深く学ぶことでその文化的背景やその言語の話者の世界観やその国の歴史などを学び、その結果深く正確な理解が可能になると思います。ここまでは自動翻訳では不可能だと思います。

問題は、上に書いたような事を出来るようになるにはかなりのレベルの語学力が要求されるという事です。細かいニュアンスや行間を読む、文脈や背景を考慮する、発言者の意図をくみ取る、等といった事が出来るまではとてつもない勉強や訓練が必要になります。逆に、そこまでの語学力が無く誤訳を頻発する場合には自動翻訳に精度、速度の両方で完敗してしまいます。自動翻訳が発達すればするほどそれを上回る為に要求されるレベルは上がります。

という事で、対人コミュニケーションを伴わない受動的な場面、例えばリーディングやテレビのニュース視聴時などで自動翻訳では不可能な事を可能にするレベルの語学力はとてつもなく高いです。それは多分TOEIC満点よりはるか先にあるのだと思います。英語をそのレベルまで上げた後にさらにもう一つの外国語をそこまで修めるのはかなり至難の業です。例えば英語とフランス語にどちらも均等に1000時間割り当てるよりは、英語だけに集中して勉強した方が仕事で使える英語力を身に着ける事が出来ると思います。

マニアックな例で申し訳ないのですが、某有名野球ゲーム実況パワフルプロ野球で投手作成時に、そんなに変化量の無い変化球を二つ、三つ覚えてもどれも使い物になりません。それよりも一つの変化球、例えばフォークに全振りした方が良い、といった感じです。このゲーム知らない方申し訳ありません。



―英語以外で将来のキャリアで役に立つ外国語が予想できない。

大学生の段階で自分が将来何をしたいか決まっている人の方が少数派だと思います。

この場合自分が将来活躍したい分野や地域が決まっていないので、英語以外のどの外国語が自分の役に立つのか判断できません。英語以外の言語はどうしても使われる地域が偏っているので習得に費やした莫大な時間が報われない可能性があります。対して英語の影響力は学術、ビジネス、インターネット、映画やドラマ等の分野で圧倒的ですので、どの分野に進もうと思っていても英語力があるとかなり有利だと思います。

英語を除いて将来どの言語が将来性があるか言われると、僕には分かりません。もちろん中国の勢いは物凄いので中国語の重要性は上がる一方だと思います。中国語の時代が来るというのは言われていますが、中国の時代はもう到来した気さえしますね。僕が日本に最後にいたのは2012年前後です。当時はまだ多くの日本人は心の中では日本の方が中国より上だ、自衛隊が東アジア最強だ、東アジアのリーダーは日本だなどと思っている人が多かった印象があります。現在もこの様な意見を持っている人は少数派になりつつあるのではないでしょうか?

しかし、中国語がこれから国際ビジネスでも使われたり、地球上の広い範囲で非ネイティブ同士が中国語で会話する未来は当分来ないと思われます。非漢字文化圏の人たちには漢字の習得が難し過ぎるからです。中国文化圏で仕事をしたい、日本で中国関連の仕事をしたい等と考える人を除いてはそこまで中国語の能力が必要とされないのではと考えています。

その他の欧米(+露)の諸言語もかつての支配地域で現在も影響力を保持しています。アラビア語も中東、北アフリカでとても役に立ちます。ただし、英語との違いはこれらの地域外ではあまり通用しないか、少し通じたとしても英語の方がはるかに通用するということだと思います。

その為、余程どこか一定の地域に興味があったり将来そこで働きたいと真剣に考える人や、開発業界などを志望していて第二外国語が強力な武器になるといった場合を除いて、英語より優先して他の言語を勉強する事を勧める事は僕には出来ません。それらの言語を使えることで利益を得る可能性より、英語が出来ないことで将来不利益を被る可可能性の方が高いと考えるからです。大学生の段階で興味のある地域があったとしても、将来変化する確率がかなり存在するとも考えています。



第二外国語を真剣に勉強していい、又は勉強すべき人とは?

☆大学生1,2年生で英語に真剣に取り組んでいる人、これから長期間英語を真剣に勉強する意思のある人、またはすでに高い英語力のある人。つまり、高い英語力を持っているうえでさらに高い。第二外国語力を身に着けられる人。

ただ、上記のような大学生は日本にどれ程いるのでしょうか?大学で早い段階ですでに英語に真剣にとりくみ、TOEICで800点などの高い英語力を身に着けている人は難関大学の学生のさらに一部に限定されると思います。


☆非英語圏に長期間留学予定の人

日本で日本人家庭で生まれ育った人が第二外国語を習得するのは、外国語大学でその言語を真剣に勉強するか、そうでなくても交換留学でその言葉が話されている地域に長期滞在するという場合が大半だと思います。よって交換留学が決まった人はその時点から語学の猛勉強を始める事を勧めます。国連公用語等の主要言語が話されている地域ならなおさらです。現地での生活の質も、言葉が話せるかどうかでかなり左右されます。


実は交換留学生は現地学生とつるまない傾向がみられ、交換留学生同士の交流は全て英語で行われるという場合がほとんどなのですが、自分から積極的に行動することで英語ではない現地語を使い現地学生と仲良くなることも可能です。


☆将来特定の国、地域で暮らしたい、働きたい、等の目標を強く持っている人

中央アジア、南米、ブラジルが好き等の場合はロシア語やスペイン語ポルトガル語を学ぶべきです。ただその場合においても、将来目標が変わった場合に備えて英語もしっかり勉強しておいた方がいいです。



―それでも出来れば第二外国語は出来れば勉強した方がいい。

ここまで英語の方が大事だ、英語に集中すべきだと言ってきましたが、もちろん僕は第二外国語が出来る事は本当に大きな武器になると考えています。他が全く同じ条件で中国語が出来るか出来ないかならば絶対に中国語が出来た方が良いです。

人と直接外国語を使って話す必要がある場合には絶対にニンゲンが言語を習得している必要があると思います。機械での自動翻訳を介したコミュニケーションは、機械を介さず同じ言語を使ったコミュニケーションに絶対に勝てません。テンポが遅くなるし、機械は話す本人の意図をくみ取れません。冗談や笑いは文化的背景に強く依存しているので他言語に変換されると通じないと思いますし、その場の流れやタイミング、話し方なども重要であるのでいちいち機械に話して機械的な音声で言われると機能しないと思います。

ドラえもんで言う「ホンヤクこんにゃく」の次元まで科学が進歩すれば対面コミュニケーションの場でさえも語学力が必要とされなくなると思いますが、そんな時代は当分やってこないのではないでしょうか?

第二外国語が一定以上のレベルで操れると特に対人コミュニケーションでその言語が話せない人より圧倒的な優位に立てます。「おはよう」、「ありがとう」、「すみません」などの初歩を知っているといった段階ではなく、実際に相手の言っている事を理解して自分の言いたいことを言うといった事が出来るような段階まで勉強していると、その言葉を話す人と距離を縮めやすくなります。

そのようなコミュニケーションが少しずつ可能になってくるレベルとは多分TOEICで言うと800点ほどからなのでしょうか?根拠は全くないのですが、、、

ここに到達するにはある程度の勉強と実践をこなせば十分だと思います。事前にしっかりと勉強した後に大学で一年間交換留学し、現地でも必死の努力を続ければ到達できないことは無いです。これは割に合った投資では無いでしょうか?

大学生でまとまった時間がある人には是非とも英語と第二外国語を両方とも勉強してほしいです。特に、第二外国語を習得する機会というのは大学生の時しかないのではないかと思います。社会人になって仕事の合間時間を使って第二外国語を学ぶのは至難の業です。時間が圧倒的に足りません。僕自身、今第二外国語を毎日必死に勉強しているのですが、学部時代に中国語を学ぶ機会があったにも関わらず面倒なので辞めてしまったことをとても後悔しています。

時間に余裕のある大学生の方はぜひ、英語ともう一つの第二外国語を勉強してみて下さい。そして交換留学の機会が将来あれば、その機会を活かすことを強く勧めます。話によると、ほとんどの場合アメリカやイギリスなどの英語圏が人気なようですが、非英語圏も真剣に検討してみて下さい。本来志望していた英語圏の大学への交換留学が叶わずにどこか非英語圏の国しか選べない場合も出来れば前向きにとらえて頂きたいです。その国の言語を習得する最良の機会を得たと捉えて下さい。個人的には、イギリスのような排他的な国では一年ぽっちしか滞在しない交換留学生が現地生と仲良くなるのは可能性が低いです。僕自身5年間毎年交換留学生を見てきましたが、現地生ととても仲良くなっている日本からの交換留学生を見た記憶がありません。

反対に、おおらかで明るいスペインやイタリアなどの国では交換留学生も楽しくやっているように感じます。飯も旨く気候も最高ですし。(ちなみにイギリスには、スペインやイタリア、フランス出身の女性は美人だというステレオタイプが存在します。)もし交換留学先を選ぶ際に現地での生活の質を基準をするならば僕は断然これらの国々を選びます。イギリスに来る日本からの交換留学生は多くの場合鬱気味ですので。

進学先決定の参考に: テスト一発vsエッセイ提出

一年間通年の授業の成績が最後の3時間の筆記テスト一発勝負で決まるのか、数か月前から与えられた課題についての数千字のエッセイで決まるのか、大学院での学び方はこれによってだいぶ変わってくるというのが僕の考えです。

これは大分前にKCLのMA War Studies に留学されていた方のブログ『ロンドン大学 留学日記』のこの投稿(https://snb03277.exblog.jp/4687728/)に同様の事が書かれていたので僕も補足として書いていこうと思います。

筆記試験は日本の大学入試とほぼ同じですので僕ら日本人ならば説明はあまり要らないと思います。社会科学、人文科学分野ではほとんどの場合、問題用紙に10個の問題が載っており、そこから3個選んでそれぞれ論文を書くというものです。試験時間は大学院なら3時間の場合がほとんどです。

エッセイの場合、学期の初めにすでにエッセイの課題が提示されるか、提出期限の3か月くらい前に教えられることが多いと思います。ミニ卒論みたいな感じでとらえてください。エッセイ執筆と卒論執筆は大体同じもので、文字制限と与えられた時間が変わるだけです。

これによって大学院での学び方にどんな違いが表れるのでしょうか?仮にですが、卒論の代わりに8月末に5時間に及ぶ『最終卒業試験』なる筆記テストが導入された場合を考えると分かり易いかと思います。

普通イギリスの大学院の場合は期末試験が5月下旬にあり、その後の3か月は授業が一切なく学生は皆卒論執筆に勤しみます。しかし卒論が無くなったので『最終卒業試験』に向けて夏の3か月、学生は日本の受験勉強の様な勉強を行う事になります。これまでの復習を中心とした勉強になります。事前に試験問題が分からないので広い範囲を網羅する必要があり、暗記の比重が高まります。論文執筆に比べると広く浅い勉強を求められる事になります。

これと同じように、授業の成績がエッセイか筆記テストかによって学生の学び方が変わると思います。エッセイの場合は一つの与えられた課題を数か月間自分の頭で考えて自分の結論を導き出す作業を求められるので、自立して研究を行う能力が養われると思います。ただ、エッセイだけだと授業内容を全て復習して理解、暗記を行う動機が全くなくなるので全体的な理解は低くなります。学生が専攻内容を全体的に理解するように促すためには筆記試験も有効なのではないでしょうか?

個人的意見としては、より学びの次元が上がるにつれて、広く浅い暗記中心の学びから、論文やエッセイ執筆能力を養う学びへと移るべきだと考えています。博士号を取得するにあたっても、数年間にわたり自分で研究を行ったうえで何万字もする博士論文を自身の研究の成果として提出します。数年間の猛暗記の末に2、3日間閉じこもって科挙の様な試験をするわけでは無いです。最高の学位である博士号がこの様な論文執筆を経て取得されることからわかるように、大学や学問側も論文執筆に価値を置いているのではないでしょうか?

志望校や進学先を決定する時にこのエッセイ提出か筆記試験かという点について考えるのは重要だと思います。大学ごとの特色が現れるので、一発筆記試験はかなりストレスがたまるので嫌な人はエッセイ提出が中心の大学を選べばよいです。

逆に暗記が得意な人は筆記試験中心のところの方が向いています。

僕が知っている限りではLSEは一年の最後の5月、6月あたりの3時間の筆記試験で成績が100%決まる授業が多数です。LSE志望者は自分で調べて下さい。

方法は以下の通りです。

1.http://www.lse.ac.uk/study-at-lse/Graduate/Available-programmesのページ下段のMSc - A-F, MSc G-M, MSc N-Zで修士コースがABCに載っているので自分の希望するコースをクリック。ここでは例としてMSc International Relationsを選択

2.http://www.lse.ac.uk/study-at-lse/Graduate/Degree-programmes-2020/MSc-International-Relations このページに飛ぶのでここでページ中段のProgramme Structure and coursesをクリックしてそこでFor the most up-to-date list of optional courses please visit the relevant School Calendar pageとあるのでSchool Calendar Pageをクリック。

3.http://www.lse.ac.uk/resources/calendar/programmeRegulations/taughtMasters/2019/MScInternationalRelations.htm この今年度の授業リストに行きつきます。この中から興味のある授業をクリック。試しにInternational Politics of the Middle Eastを見てみます。

4.http://www.lse.ac.uk/resources/calendar/courseGuides/IR/2019_IR419.htm このような授業の詳細ページの一番下にAssessmentと書かれています。ここにExamとあれば筆記試験、Courseworkとあればエッセイ提出という事です。

LSEの場合は以上の方法で全ての修士課程の全ての授業が筆記試験かエッセイか分かります。MSc International Relationsの場合は8割ほどが3時間の筆記テスト一発の様です。LSEは特にスパルタで有名で、このように筆記テスト一発で決まるので学生間でのストレスが半端ないらいです。さらに教授と学生の間に距離がありサポートが受けられないという意見をイギリスでよく耳にしますがこれは本当でしょうか、、

St Andrews志望の人はhttps://www.st-andrews.ac.uk/coursecatalogue/pg/latest/ ここで学部ごとの授業リストが見れます。そこにAssessmentと丁寧に書いてあるので分かります。

キングスカレッジロンドンの場合は?実は分かりません。僕も散々調べたのですが無理でした。しかし冒頭で紹介したKCLの日本人留学生の方のブログ(https://snb03277.exblog.jp/4687728/ )に、筆記テストの占める割合は50-75%と書いてあるので本当に助かりました。今はどうなっているのか分かりませんが、そんなに変わっていないといいです。

オックスフォード大学とケンブリッジ大学は相変わらずこういう事を全く載せていません。そんな細かいとこ書かんでも志望する学生は大量にいるからでしょうか。

進学校を決定する際の参考になれば幸いです。

2021年からはイギリスの大学で学ぶヨーロッパ人学生が半減する

今回の投稿では、前半には先日イギリス政府から発表された、2021年からヨーロッパ大陸からの留学生は非ヨーロッパ人学生と同じ額の学費を払う必要があるとの決定について、後半ではイギリスの大学の国籍構成とヨーロッパ人学生が減少することのよい点と悪い点を書いていこうと思います。また「イギリスの大学は中国人だらけ」という話について少し書いていきたいと思います。


ちなみにここで言うヨーロッパ人学生にはイギリスとアイルランドを含めません。

来年の夏からはヨーロッパ人学生の学費が3倍に。

イギリスはEUに加盟していたので、自国の学生と他のEU加盟国からの留学生との間に差を設けていませんでした。その為非ヨーロッパ人学生はイギリス人とヨーロッパ人学生の3倍ほどの学費を払っていたのですが、来年からヨーロッパ人学生の学費が非ヨーロッパ人学生と同じ額になります。

一番分かり易い影響としては、来年からイギリスに留学してくるヨーロッパ人学生の数がガタ落ちするというものです。どのくらいヨーロッパ人学生の数が減るのか色々調べてみたのですが、大体これまでから60%程減少すると考えられているようです。

何故わざわざこれを言うのかと言うと、イギリス留学斡旋業者はよく、「(アジア人は少なく)ヨーロッパからの留学生と一緒に勉強できる、友達になれる」という宣伝文句をよく使うのですね。またそのような需要が実際にあるとも感じます。ですのでヨーロッパ人学生に囲まれて勉強するんだ!とか考えて来年から留学したらそれほどでもなかったとの状況になるかもしれません。


そもそもイギリスの大学はどのような国籍構成になっているのでしょうか?また、ロンドン、その他イングランドスコットランドのどの地域に大学が位置しているかによって国籍に大きな偏りも出てきます。そこを詳しく解説していきます。

イギリスの修士課程におけるイギリス人、ヨーロッパ人、非ヨーロッパ人学生の割合を見てみよう。


イギリス人:116、425人

ヨーロッパ人:23、555人

非ヨーロッパ人:115、350人

つまり

イギリス人:46%

ヨーロッパ人:9%

非ヨーロッパ人55%

という事が分かります。

これは全体の割合なので、科目によって割合は大幅に変動します。

都合よくイギリス修士課程において留学生に人気の科目が書いてある資料があったのでこれも参考にしてください。()内はその科目での留学生比率。

1位 ビジネス (62%)

2位 工学部 (58%)

3位 数学 (54%)

4位 メディア学 (50%)

5位 芸術&コンピューターサイエンス (44%)

6位 法律学 (42%)

7位 言語、文学、古典学 (40%)

8位 経済、政治、社会学 (34%)

正直なところ、思ったほど留学生だらけでもないなと思いました。

留学生の出身国の割合は上位から

中国 (26%)

インド (5%)

アメリカ (5%)

香港 (3.2%)

マレーシア (3.2%)

イタリア(3%)

ドイツ(3%)

フランス(3%)


つまり、留学生の4人に一人は中国からの留学生という事です。

そもそもヨーロッパ人学生はそこまでおおくないのですね。ここから来年は彼らが半分ほどになると考えればよいのだと思います。

どの様な学生と一緒に勉強するのかは進学先を選ぶうえでとても重要な指標となると思います。あまりにも国籍に偏りがあると休み時間、下手したら授業中も英語ではなくその国の言葉で会話が行われる、などという話を小耳にはさんだことだあります。僕個人ではこのような体験をしたことが無いのですが。

まず大きな特徴として、ヨーロッパ人学生が多いのはスコットランドとロンドンの大学、またはその他の名門大学です。

ロンドンにあると言うのは交通の便が良かったり、そもそも都市としての魅力があるのである程度納得出来ます。

ではなぜかスコットランドなのか?
これは実はヨーロッパ人学生はスコットランドの学部での授業料が無料だからです。ちなみにスコットランド人学生ももちろん学費が無料です。ところがイングランド人がスコットランドの大学で勉強したい場合には非ヨーロッパ人学生と同じ授業料を払う必要があるのです。そんなにイングランドが嫌いか、スコットランド

イギリスで一番ヨーロッパ人学生比率が高いのはスコットランドにあるアバディーン大学で、その比率は19.2%、5人に一人はヨーロッパ人学生という事になります。ここは1495年に設立されたなかなかの名門校です。

それ以外にもヨーロッパ人比率の高い所を上から列挙してみましょう。


1.アバディーン大学(19.2%)

2.ロンドン・スクール・オブ・エコノミクス(17.6%)

3.インペリアル・カレッジ(16.2%)

4.ロンドン美術大学(12.9%)

5.ケンブリッジ大学(12.8%)

6.エセックス大学(12.4%)

7.キングスカレッジロンドン(12.2%)

8.ユニバーシティー・カレッジ・ロンドン(11.8%)

8.ミドルセックス大学(11.8%)

8.エディンバラネイピア大学(11.8%)

11.ウェストミンスター大学(11.1%)

12.シティー・ユニバーシティ・ロンドン(11%)

13.オックスフォード大学(10.9%)

14.グラスゴー大学(10.5%)

やはりこれらはほぼ全てがロンドンまたはエディンバラスコットランドの首都)にあります。例外の4校も、ケンブリッジ大学、オックスフォード大学は別格の世界的名門大学であり、アバディーン大学、グラスゴー大学スコットランドの名門大学です。

もしヨーロッパ人学生が多い所が良い、という人がいるのならばこれらの条件を満たすところに行けばいいです。特に名門大学ですと学費が上がろうがヨーロッパ人学生は依然として留学してきます。

特に上の第2位のロンドン・スクール・オブ・エコノミクス修士課程の段階ではそもそもイギリス人学生、ヨーロッパ人学生、非ヨーロッパ人学生に対して一律に同じ額の学費を課しています。イギリスの修士号で最も学費が高い大学の一つであり科目によっては年間450万円くらいするのですが、それでも世界的名門大学であるので受験者は大量に来ます。人気のコースですと倍率は20倍くらいになります。

2021年以降もイギリスの中でも上位に位置する名門大学はヨーロッパ人学生にとって依然として魅力的に映るために比率はそこまで落ちないのではと思います。

ケンブリッジ大学、、オックスフォード大学、LSE、インペリアル・カレッジ、キングスカレッジ・ロンドン、UCLなどが該当すると思います。

上位大学程の競争力の無い大学は、ヨーロッパ大陸にある英語で授業が行われる競合校に学生を持っていかれる可能性が高いのではないでしょうか?フランス、オランダ、ドイツ、スイス、北欧の大学院では英語で修士号を取れるところが多いです。しかも学費もヨーロッパ人学生には年間で5万から20万円くらいの幅です。イギリスで学費250万円払うよりは、オランダのアムステルダムで学費10万でほぼ同じ内容のコースを選択するのでは無いでしょうか?この様な状況でも競争できるのは上記した名門大学だけだと思います。



イギリスの大学は中国人ばかりなのか?

話が逸れますが、なぜ「イギリスの大学は中国人だらけ」といった話が出てくるのでしょうか?イギリスの修士課程の全体の内、中国人留学生は14%程度にすぎません。
理由としては、

1.見た目が目立つ。
中国の方は大体見れば分かる。ヨーロッパ人学生やアメリカ人学生はイギリス人学生とほぼ見分けがつかない。

2.中国以外のアジア諸国から来る留学生には中華系の方がとても多い。
東南アジアの経済を握っているのは現地国籍を持っている中華系です。かれらは裕福で教育熱心なので留学させたがるのでしょう。

台湾からの留学生も多いです。香港やシンガポールでは大学進学の競争が激烈な為、地元で大学に進学できなかった学生たちが大勢イギリスの大学に進学します。マレーシアでは大学入学の際にもマレー系優遇政策がとられているらしく、そのためイギリスに来る中華系マレーシア人がとても多いと友人の中華系マレーシア人学生達に聞きました。これら中華系の台湾人、香港人、その他東南アジアの中華系の学生がイギリスには大量にやってくるので実際よりもより「イギリスの大学には中国人ばかり」という印象を与えるのではと思います。

例えば僕の留学2年目の中にいつも共に行動していた一番仲の良かったグループは、中国本土出身者2人、中華系シンガポール人1人、中華系マレーシア人2人、中華系ミャンマー人1人、中華系アメリカ人1人、中華系オーストラリア人1人、それに僕という構成でした。傍から見れば僕ら全員中国からの留学生だと思われたと思います。


3.日本人に人気の学部は中国からの留学生にも人気

上記の通り、ビジネス、メディア、政治学、経済学、言語学等は日本人留学生にとても人気の科目だと思います。これらは中国からの留学生にも人気の科目なのですね。

4.レベルの高くない大学、コース程留学生に頼りがち。

言いにくい事なのですが、こんな傾向にあるように思います。

上記の様に上位大学であるほど国籍の多様性が保たれているように思います。上位大学以外のそこまで人気の無い大学はヨーロッパ人学生の志望者がそもそも多くなく財政的余裕が無い所が多いので、人種、国籍の多様性を保ちたいのだけれど、ヨーロッパ人学生の3倍の学費を払う非ヨーロッパ人学生、特に中国からの留学生を多く入学させるという状況が発生しているのではないでしょうか。

財政的に余裕がありなおかつ人気の高い名門大学はヨーロッパ人学生の志望者がそもそも多く、非ヨーロッパ人学生の学費に頼る必要がそこまでないため人種多様性が保たれているのでしょう。

またイギリスに近いヨーロッパ諸国ではイギリスの大学事情にもある程度詳しいと思うので、イギリスの大学の評判を良く知っており、その為あまりレベルの高くない大学には進学しないのだと考えられます。遠く離れた国から来る留学生だとそうはいかず、レベルの高くない大学なのによく知らずに入学してしまった、等という事も考えられます。

日本でもそうですが、そもそもイギリスの大学でどこがレベルが高いのかって良く知らない場合も多いですね。そんな場合のは取り合えずイギリスの大学院で修士号を獲得したという事が大事になってくるので名門大学でなくても構わないという判断をするのかもしれません。

また、ヨーロッパ大陸には教育水準の高い大学が数多く存在するためヨーロッパ人学生の場合、イギリスに留学するにもある程度以上のレベルの大学にしか進学しないとも考えられます。ある程度の上位大学に進学できないのであればヨーロッパ大陸のレベルの高い大学や自国の大学に進学するのではと推測できます。

ヨーロッパ人学生が減って良い事、悪い事。

良い点

1.入学しやすくなる

ヨーロッパ人学生の志願者が減ることで倍率が減り、これによって僕ら日本人留学生は少しだけ入学しやすくなるのではないでしょうか?

もちろんヨーロッパ人学生は全体の9%程しかいない為、そこまで大きな影響はないかもしれません。この点ではむしろ非ヨーロッパ人学生にとってイギリス留学の人気がどう変化するかの方がより大事です。

2.奨学金が(少しだけ)得やすくなる

実はこれまではイギリスの大学、大学院の奨学金の大多数はそもそもイギリス人もしくはEUからの学生に限られたものが大半でした。博士課程留学などでイギリスを検討された方なら分かると思うのですが、本当に8割、9割近くの奨学金の応募条件にEU市民である事、という条件があったため僕ら日本人はそもそも応募不可能でした。これからこの状況が変わる可能性が結構あります。

3.より世界中からの留学生と知り合いになれる。

これはヨーロッパ人学生の抜けた穴をどの国の出身者が埋めるのかによります。言われているのは、やはり中国出身の方がその志望者数の多さから一番増加するという事です。また、2020年からの留学者には卒業後に2年間の労働ビザが下りるのでそこに惹かれた途上国の留学生が増えると思われます。特にインドで英国留学の人気が上昇すると考えられているようです。
ヨーロッパ人が減ればその分他の地域からの留学生が増えますのでより国際的になりますね。

悪い点

1.ヨーロッパ人の知り合いが出来ずらい。

これは個人の嗜好によります。ヨーロッパ人は気取っていて嫌いだ、という人だっているかもしれません。この様な人にとってはこれは利点かもしれません。

しかし、そもそもイギリスに留学に来る人ってヨーロッパが好きな人が多い傾向にあります。イギリスを留学先に選ぶ要素としてイギリスがヨーロッパに位置するからという理由を挙げる方がとても多いです。それに、地理的にとても近いので休暇中に気軽にヨーロッパ旅行に行けます。飛行機で数時間ほどですので関東から京都に旅行するくらいの感覚でイギリスからイタリアやスペインに旅行できます。イギリスの大学でヨーロッパ人の友人が出来れば休暇中に彼らを訪ねることが出来、地元を案内してもらえるかもしれません。

となるとヨーロッパ人学生減少は少し寂しいかも知れなせんね。さらに、ヨーロッパ言語を学んでいる人は練習する機会が減るかもしれません。

2.英語が上手なヨーロッパ人が減り、英語上達の機会が減る。

一般論ですがヨーロッパ人は英語が上手です。イタリア人やフランス人、スペイン人は英語が下手だ、という印象をお持ちの方が多いと思いますが、今の若者は皆とても流暢な英語を話します。同じような教育レベルの日本人と比べると天と地の差だと思います。僕が日本の大学に入って最初、カナダ人の英語教師から英語で英語を学ぶという必修授業があったのですが、日本ではそこそこのレベルの大学にも関わらずほぼ誰も教師の英語を聞き取ることが出来ていませんでした。英語での発言となるとより壊滅的でした。対してヨーロッパ人学生は英語で話すことが本当にうまいと思います。

留学3年目にオランダに旅行に行ったのですが、そこで出会ったオランダ人大学生は英語圏で暮らしたことが無いにもかかわらず僕よりもはるかに上手な英語を話しており僕は衝撃を受けました。



イギリス人の英語はまだ理解できないけど、もうだけ少しゆっくりで、でもかなり流暢なヨーロッパ人学生は格好の英会話の練習相手になります。彼らも異国で留学生という立場ですので知り合いもあまりおらず、ネイティブの学生と比べて仲良くなりやすいと思います。
彼らが少なくなるのは痛手です。

3.特定の国の出身者がクラスメイトの多数を占める事になるかも

休み時間には周りはみなアラビア語スペイン語、ロシア語、中国語で会話しているという状況は英語の上達という観点から見た場合好ましくないと思います。

アメリカ特に西海岸の英会話学校ではこんな状況で満足できなかった、等という体験談がネットにはあふれていると思います。このような状況に陥る可能性がないとも言えません。

以上ですが。とりあえず言っておきたいのは、2021年以降にイギリスに留学する方は、ヨーロッパ人学生は思ったほど多くない可能性があるという事です。多くない、と言っても今の半数くらいに減るだけだと思いますが。

それが良いか悪いかは個人の好みによるのでしょう。例えば僕はヨーロッパ人の中の良い友人は5年間で2人ほどです。中国や他のアジア出身の親しい友人のほうがはるかに多いです。

一番いいのはネットで調べてみるか、どうしても気になる場合は自分の希望する大学にメールして、進学したいコースでどの様な国籍構成になっているかを聞いてみる事です。イギリスの大学でも国によって評判が異なります。LSEは日本ではそこまで知られていませんがアメリカ、ヨーロッパ、中東など世界中で評価が高いです。マンチェスター大学はイギリス本国では正直名門校という認識は全く無いのですが、どうやら中国では大学世界ランキングが異様に高いことから名門大学として認識されているようです。僕の進学予定のKCL War Studiesはアメリカでの評判がとても高いです。ただ日本で知名度はかなり低いと思います。


どうしてもヨーロッパ人の友人が欲しい!という方はロンドンかスコットランドのできれば名門大学、またはオックスフォード大学、ケンブリッジ大学に物凄く頑張って入学すれば2021年以降もそこでわんさか出会えるのではないでしょうか?

リスニングに適しており、かつ面白いユーチューブチャンネルの紹介

中級者がリスニング力を向上させるには自分には少しだけ難しいと感じる教材を選び、ディクテーションをするのが良いです。

恐らく本当のネイティブスピードの物は難し過ぎて逆に効率が悪いので、比較的ゆっくりネイティブが話していて、かつ内容が面白いものが望ましいです。教材を探す時間は無駄でしかないので教材を探している人向けにディクテーションやリスニングの勉強に適しているユーチューブチャンネルをいくつか紹介します。

以下の基準を満たすものだけを選びました。

  • 間違いのない正確な字幕付き
  • 登録者50万人以上
  • ネイティブスピーカーがナレーター
  • 標準的発音で話されている

 

Epic History TV

このチャンネルにはナポレオン戦争アレクサンドロス大王の東方遠征、ロシア史、十字軍、第一次世界大戦などを詳細にまとめた動画等がざくざくあります。

とりあえず一本だけナポレオン戦争のまとめ動画を載せておきます。何と日本語字幕まであります


The Napoleonic Wars (PARTS 1-6)

 

 

Historia Civilis

こちらは主に古代ギリシア・ローマ史を扱ったチャンネルです。

下の動画はローマ軍の戦術を解説したもの


Roman Battle Tactics

 

 

 Ted-Ed

有名なTEDが動画を作ってます。様々なテーマの動画が作られており、全て5分の動画ですので勉強にちょうどいいです。今ざっと見て面白そうだなと思ったテーマとその中の動画を列挙します。

歴史

古代ローマ史:スパルタクスの乱」

アッシリア帝国の興亡」

自然

「何故地球は糞で埋め尽くされないのか」

「ウミガメの甲羅はどう進化したか」

世界の名著紹介シリーズ

「100年の孤独を読むべき理由」

ドン・キホーテを読むべき理由」

罪と罰を読むべき理由」

 

以下は神話シリーズの一つ、「ギリシャ神話:ヘラクレスの12の功業」


The myth of Hercules: 12 labors in 8-bits - Alex Gendler

 

 

Kurzgesagt-in a Nutshell

上で紹介した動画よりももう少しナレーターの英語が速いので少し難しいかもしれません。登録者1200万人なので面白い動画が多いと思います。日本語の字幕もあります。

個人的に面白かったのが下の動画、「アリの世界大戦」


The World War of the Ants – The Army Ant

 

 

CrashCourse

最後に一番難しいと思ったものを。解説者がネイティブスピードで話しているので字幕があっても難しいかもしれません。留学先の現地人は手加減していない時には大体このくらいの速さの英語を話すと思いますので事前の練習にもいいと思います。

 

以下の動画はモンゴル帝国についてのもの。


Wait For It...The Mongols!: Crash Course World History #17

 

発音勉強法

 

先の二回の投稿で話した通り、

1.子音、母音の正しい発音を練習し分かり易い英語の発音を身に着ける。

2.その後にしたい人だけネイティブらしいの発音を練習する。

 

の二段階があると思います。

1の発音の基礎練習は誰でもすべきだと思うのでが、2のよりネイティブらしい発音というのは時間がかかるし、仕事や生活でそこまで英語を話さないので最低限意思疎通に問題の無い発音を身に着ければよいと考えている人も多いと思います。

よりきれいで流暢に聞こえる英語を話すことの利点は前回話したので、そこまで発音練習をする時間に見合ったリターンがあるのかどうかを自分で考えて発音勉強の方針を決めて頂きたいと思います。

 

1.子音、母音の正しい発音を学ぶ。

まず最初にどの国の英語の発音を勉強するのか決めてください。

僕はイギリス英語を選択したので、ここからはイギリス式の発音を学ぶ前提で教材を紹介します。

 

母音(あいうえお)

日本語には母音はあいうえおの5つしかないのですが、英語には

  1. 短母音(ア、イ、ウ等)
  2. 長母音(アー、イー、オー等)
  3. 二重母音(アイ、エイ、オイ等)

の三種類があり、区別が必要です。特にカタカナ英語で「オ」「オウ」「オー」をごっちゃにしてしまう事がとても多いです。

例を挙げると、

(誤)ポスト(正)ポウスト

(誤)ホスト(正)ホウスト

(誤)ゴースト(正)ゴウスト

(誤)ロースト(正)ロウスト

(誤)ボート(正)ボウト

(誤)トースト(正)トウスト

(誤)ショー(正)ショウ

(誤)ゴールド(正)ゴウルド

 

この発音を練習するにはBBCBBC Learning Englishという素晴らしいサイトがあるのでここで練習してください。僕は留学一年目このサイトと後で紹介するEnglish Pronunciation in USEという本を使い毎日30分発音練習をしていました。

f:id:Kleon:20200613182045j:plain

今言ったBBCのサイトに行くとこの画像が出ます。一段目が短母音(Short)、二段目が長母音(Long)、三段目が二重母音(Diphthings)です。

ページの下の方からはこれら全ての母音、子音の発音を例を挙げながら発音してくれている動画のページに行けます。すごいのが、イギリス人女性が実際に発音する口の動きなどを全て見本として見せてくれることです。以下の動画はそのうちの一つ。

 


Long Vowel. Pronunciation Tips.

これを見ながら正しい発音の仕方を学ぶと良いです。

 

日本語の解説が欲しい方にはアメリカ英語ですが、以下の本が素晴らしいです。勿論僕も使いこみました。

英語耳とありますが、発音を詳しく解説している本です。これを読んで、日本語と英語の「イ、ウ、エ」の発音すら違うとの解説を見て目から鱗でした。6年間英語圏に住みましたがこれは間違いなく正しいです。

英語の「イ」は日本語の「イ」と「エ」の中間であり、英語の「エ」は日本語の「エ」よりももっと口を横に広げて発音する、英語の「ウ」はむしろ日本語の「ウ」と「オ」の中間に近い、等です。

素晴らしい解説がとても多く今まで買った英語教材の中で一番だと思います。

英語耳[改訂・新CD版] 発音ができるとリスニングができる

英語耳[改訂・新CD版] 発音ができるとリスニングができる

  • 作者:松澤喜好
  • 発売日: 2010/08/12
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)
 

 

僕はこの二つを使い2か月程毎日発音の練習をしました。

 

 

その後にもう少し長い文を使った発音練習をしたいと思ったときに購入したのが以下のケンブリッジ大学出版社から出ているEnglish Pronunciation in USEです。Elementary、Intermediate、Advancedとありますが僕は留学一年目の7か月程ずっとElementaryを使って勉強して難易度的にも問題ありませんでした。母音と子音の英語での解説はすでに紹介した英語耳とBBCの動画のほうが上だとおもうのですが、このケンブリッジ大学出版社の教材は量が多いので練習が豊富にできます。これと上の英語耳がこれまで買った英語教材のトップ1,2です。

忠告ですが、絶対にCDまはたオーディオ付きのものにしてください。発音練習をするのに手本となる音が無いのは無意味です。

English Pronunciation in Use Elementary Book with Answers and Downloadable Audio
 

 

これらの教材と使いしっかりと練習すれば、英語力のある外国人に英語を話して発音が通じないという事態に陥ることは無いと思います。

 

 

2.ネイティブらしい発音を身につける

分かり易いはっきりした発音から、ネイティブらしい発音へと上達する為には結構な発音練習が必要です。

早く話す時にどのようにリエゾンするのか、どの音を省略するのか、抑揚をどうつけるのか等は一つ一つの母音と子音の正しい発音を身に着けた後にさらに勉強する必要があります。

例えばHの省略。Haveは強調されないときには文中でOfとほぼ同じ発音になりますし、HimやHerはイムやアーの様になってリエゾンされる時が多いです。

他にも、They are、There are、Their の三つのはほぼ同じように発音します。その為に英語圏の英語文法の問題で上のどれを使うべきかという問題さえあります。話す時に区別をあまりしたいために、間違える人も結構います。

 

ネイティブらしい流暢な発音に近づけたい場合には、個別の音の発音を正しく覚えた後には、ネイティブがどの様に発音しているのかを観察まねる事が大事です。

 

「フリートークでネイティブとの会話を続けていれば自分の発音ネイティブの様になる」

と考える人に言っておきたいのですが、これは間違っていると思います。留学すればアメリカ英語、イギリス英語が身につくという意見に僕は真っ向から異を唱えます。

良い例としてはアメリカで毎日アメリカ人に囲まれて生活しているプロ野球選手だと思います。以下のイチロー選手の英語は物凄く上手だと思うのですが、聞いていてアメリカ人の様な英語だとの印象を持つ人は少数だと思われます。

27歳で渡米し20年間もアメリカで暮らしたイチロー選手でもある程度の日本語訛りが残っています。

発音練習なしには発音は向上しません。


⚾イチロー 感動の英語スピーチ!冒頭で「雄星、泣くなよ」と笑いとるww【日本語字幕入】(2019/9/15 特別功労賞授与式・現地映像まとめ)Ichiro Speech Mariners

 

このことから分かるように、現地に留学すれば、ネイティブと話してさえいれば、英語をただ聞いてさえいれば発音も上手くなるとの考えは捨ててください。

この様に考えている人は、地道に教材を聞き、自分の発音を録音し、鏡を見て口や舌の形を確認しながら何百回も単語の発音をするという地道な努力が面倒くさいのです。

もちろんそんなの誰も好きではないのですが、やる価値はある気がします。

 

僕がやった一番効果のあった発音練習方が以下です。

 

「正確な字幕付きのドラマや映画を使い、数秒ごと止めて巻き戻し、字幕を見ながら言われている英語を確認し、それをネイティブがどの様に発音しているかを何度も聞き、同じように言えるように自分で何度もそのセリフを練習して口に出してみる。次の段階では同じ個所をシャドウイングする。最後にはその個所の動画を再生し、その俳優と同時にセリフをかぶせて話し、ほぼ同じようにその英文を言えるまで繰り返すことで自分のものにする。」

 

登場人物のセリフを完コピするというちょっとスパルタな勉強法で疲れるのですが、これが一番効果がありました。リスニングの勉強にも、スピーキングの勉強にもなります。大体ドラマの1分につき2時間ほどかかり、僕はこれを留学2年目に毎日平均2時間、日によっては4時間程ずーっとやっていました。

日本語での教材についているCDように英語を話すネイティブは存在しませんので、ネイティブが自然に話す英語すを身に着ける事が出来ます。あれは教材ですので僕ら日本人向けに凄くゆっくりはっきり話してくれています。

同様に、TOEICと比べると実際の英語は桁違いに早いです。

 

 

 

この勉強法の気を付ける点としては、

1.ある程度僕らが実際に話すような日常会話が中心のドラマや映画を選ぶ

沈黙が続く映画や戦争物、医学用語や法律用語、科学用語が頻繁に使われるものは覚えても使うとこがあまりないので割に合わない。

学園ものや恋愛もの、コメディーが適しているのではないかと思います。英語で笑いを取るのは難しいため、面白いと評判のコメディーで間の取り方などを学ぶと会話力向上にとても活きると思います。

僕が使ったのはイギリスの超有名コメディー「I'm Alan Partridge」というものです。

会話文が中心で罵倒の仕方、日常会話での答えかたなど色々学べることが多いです。4年経った今でも僕の英会話の発言はここから引っ張ってくることが多く、自分の会話レパートリーの基礎となっています。

以下にユーチューブから持ってきたこのドラマの一場面を張っておきます。


Alan Rows With Fellow Guest Part 1- I'm Alan Partridge - BBC

 

2.正確な字幕があるものを使う

これは超重要です。間違ってもユーチューブの自動字幕には頼らないでください。あれは間違えが多すぎます。

中古のDVDには大体字幕がついていますのでそれに頼ると良いです。また、有名どころのドラマや映画はネット上でスクリプトを見つける事が出来るかもしれません。それをプリントアウトでもすれば勉強がはかどります。

僕が使ったAlan Partridgeというドラマも大人気作品だったため、このようにスクリプトがネット上でタダで手に入りました。

 

3.自分がその人の様に話したいと感じる俳優や女優を見つける

この方法ではセリフを言われたのと同じようにいうという練習ですので、素敵とかきれいだな、などと感じる人を見つける方がモチベーションになります。あまりに声が高すぎたり低すぎたりすると難しいです。自分がかっこ悪いなと感じる話し方の人のまねをするのもやめましょう。スターウォーズヨーダとか変な話し方の人(生物)のセリフもまねる必要はありません。

 

4.難し過ぎると感じたらやめる。

この方法は負荷が高いので、俳優の話す速度が速すぎたり使われる語彙のレベルが高すぎる場合は実践不可能になります。その場合はもっとゆっくり話している映画やドラマを選ぶといいです。

他にも、ユーチューブではドラマや映画を使って英語を学ぼうというチャンネルを利用すべきです。

彼らは非ネイティブの英語学習者に向けて動画を作っているので、そこまで難易度の高くない個所を中心に場面を選んでいるはずです。また、彼ら自身が英語字幕を作成している場合が多いのでこの勉強法のはもってこいです。今検索しただけでも以下のようないい感じの動画が見つかりました。勿論Friendsはオーバーリアクションが多かったり大げさなのでそこまで向いていないかも知れませんが、日常会話のストックを増やすにはいいと思います。


Learn English with Friends | The Friendly Finger

 

5.この勉強法が合わなかった止める。

モチベーションがそんなになかったり、効果が無いなと思ったら止めた方がいいです。英語の勉強は継続が大事なので。

また、リスニング力が低すぎたり知らない単語が多すぎるとこの勉強法は成り立たないのでこれもやめるべきです。僕がこの勉強法を始めたのは留学二年目です。当時はかなり難しいしつらいと感じていましたが何とかこなせました。

 

 

以上が発音の練習法とお勧めの教材です。興味があれば試してみてください。

発音を学ぶ理由(後半)

前回の投稿では以下の様に、そもそも日本人は発音を勉強しないと英語自体が通じづらいと話しました。

kleon.hatenablog.com

今回の投稿では発音を向上させる必要性を美的観点から話してみようと思います。

僕の主張は

「美しい発音と受け取られる確率が一番高いのはイギリスかアメリカの標準表現であり、僕ら日本人も自分の発音をこれらの発音に近づける努力をする事で結構得します。」

というものです。

 

 

英語ネイティブから見てきれいな英語とは何か?

まず、美しいとは何かを定義するのは、声の高低や質などの要素が多すぎて議論するのが難しい。ここは訛りの強弱のみに焦点を当てて考えていこう。難しく考えるのは少し止めてみて、以下の場面を考えて見てほしい。

 

日本語を学んでいるアメリカ人留学生ジョン君がを日本人の前で日本語を話した所、皆から「ジョンって日本語の発音がとてもきれいだね。」と褒められた。

 

一般の日本人がお世辞抜きで外国人の日本語の発音がきれいだと思う場合、それはどんな発音なのだろうか?僕はそれは「まるで日本人のような発音」だと思うのですが皆さんはどうお考えになるでしょう?

他にも、「彼は訛りの無いきれいな英語を話す」という文に違和感を感じる人はあまりいないのでなないでしょうか?ここでは「訛りが無い=きれい」という事が示唆されていると思うのですが、これが皆の本心ではないでしょうか?

周りの日本人でも発音がうまい人には「まるでアメリカ人の様な発音だ」等という誉め言葉が一般的に使われますが、これも普通の用例だと思います。

ネイティブからしたら結局は自分たちの言葉が正しいとの考えが自明のこととして捉えられているので、ネイティブの発音に近ければ近い程、訛りは小さければ小さい程きれいで美しい発音だと言えることが出来るのだと思う。 

 

 

しかし本当に訛りのある英語は美しい英語とみなされないのだろうか?他にも重要な要素は無いのだろうか?考えてみると、訛りの音自体がそもそも美しい場合と、その訛りの国に対して人々が抱くイメージによって、訛りのある英語の印象も左右される場合は無いでしょうか?

 

一つ目の、母国語がそもそも美しく、またはかっこよく聞こえるためにその訛りに影響された英語自体も良く聞こえる場合が存在します。僕ら日本人にも、フランス語、中国語、ドイツ語、タイ語を聞いた時にどれがきれいでどれがそんなにきれいに聞こえないと判断できると思います。

二つ目の場合はアメリカ人やイギリス人が持っている各国への印象によるところが大きいです。ここで参考になる記事があります。Babbelという語学勉強アプリを作っている会社がが以下のような面白い研究を行いました。米国、英国、フランス、ポーランド、ドイツ、スペイン、イタリア、カナダ人合計7500人にアンケートを取り、外国訛りのある自分の母国語を聞いた時にどんな印象を持つか聞いた面白い研究があります。例えば、中国訛りの日本語を聞いた時に僕ら日本人がどんな印象を持つかなどです。

どの国の訛りがどの様な印象を持ったかを示すデータが以下になります。

 

最もフレンドリー:スペイン

最も冷たい:ロシア

最も直球的:ドイツ

最も主張がが激しく聞こえる:ドイツ

最も教育が無く聞こえる:アメリ

最も可笑しい:アメリ

最もプロフェッショナル:ドイツ

最もきつく聞こえる:ドイツとロシア

最もかっこいい:フランスとイタリア

最も賢い:スウェーデン

最も信頼できそう:スウェーデン

最も情熱的:スペイン

最もセクシー:フランス

最も洗練された:フランス

 

フランスが強いですね、やはり文化大国フランスと言ったところでしょうか。これには皆が抱くイメージや偏見が関係してきます。ジェームズボンド映画での悪役はほぼ皆がロシア訛りの英語を話しますし、ドイツはユーモアが無く真面目というイメージもヨーロッパで根強いです。

 

上記の通り、アメリカではフランス訛りの英語はとてもセクシーであるとの考えが一般的に共有されていると思います。かつて僕がスペインに行った際にアメリカ人女性とフランス人男性と少し話す機会があったのですが、アメリカ人女性は「フランス訛りの英語ってなんてセクシーなのー」などと言っていたのを覚えてます。当時僕は冗談だろと思っていたのですが、どうやら本当の様です。

また、以下のユーチューブ動画を見て下さい。このダイアン・クルーガーさんという女優はフランスで暮らした経験があり英語、フランス語、ドイツ語に堪能らしいです。動画のタイトルは「ダイアン・クルーガーのフランス訛り英語は毎回彼女をトラブルから救ってくれる」とあるように、英語をネイティブ並みに流暢に話すことが出来るにも関わらず故意にフランス訛り英語を話しフランス人女性のように振る舞うとアメリカ人男性がサービスしてくれるという笑い話である。

もちろんコメディーですが、アメリカでフランスアクセントが魅力的だという共通認識があってこそ視聴者も理解出来てコメディーが成り立つのだと思います。

6分12秒からクルーガーさんの実演が始まるのですが、信号無視していまい警察に呼び止められるがフランスアクセントで「本当にすみません、、私は海外から来たのでよくわからないの。赤信号が見えなかっただけで、、」と言い、男性警官が「しかたないな今回だけは特別だぞ」などと嬉しそうに見逃してあげるという設定です。


Diane Kruger's French Accent Gets Her Out Of Trouble Every Time

アメリカ人はヨーロッパに憧憬(幻想?)を感じているように思われます。スペイン人男性やイタリア人男性は情熱的で魅力的だ、という認識も共有されているように感じました。

 

ここで問題になるのはアメリカ人やイギリス人が一般的に日本人にどんなイメージを持っているのかということでしょう。

僕が一番感じたのは、彼らの内大多数は日本には無関心だという事です。日本人男性はかっこいい、等という印象は持っていない様に思われたのですが、これは僕がぶさ男なだけなのでしょうか?ここは誰か追加調査お願いしますね。

 

一般的は漠然、日本は先進国でハイテクに強いとのイメージがあると感じます。僕は旅行中に写真撮ってくれと言ってカメラを渡されることが多いのですが、友人のイギリス人が言うにはアジア人はカメラやパソコンの扱いに長けていて写真撮るのが上手そうとのイメージがあるためだと言われました。

知り合いのアメリカ人女性の一人は、自分の高校で日本が大好きという人たちは大人しめだったりアニメやコスプレが大好きな人達ばかりだったと言っていました。

個人的体験ですが、イギリスやアメリカの男性はアニメ大好きと公言する事をためらう人が結構います。これは残念ながら、アニメ好きな人たちに少しマイナスなイメージがついてしまっているためだと思われます。日本でも一部にオタクに対して偏見を持っている方がいると思うのですが、あちらでもそのような認識はある程度あると思います。僕はこれをとても悲しい現象だと思っています。折角外国に住む方が日本文化に興味を持ってくれているのに彼らがネガティブな印象を持たれてしまうのは残念です。
同時に、ジャパンエキスポなどが存在することから分かるように熱狂的ファンも多いです。

しかし、日本文化に熱中している人が多数を占めると考えるのは間違いだと思います。日本のテレビでは世界中で日本が大ブームなどと言った話をしている番組が存在するようですが、僕はその様な印象を持ちませんでした。

 

僕が言いたいのは、日本人訛りの英語を話すことでアメリカ人やイギリス人には特に好印象は与えられないという事です。悪印象まではいかないのかと思いますが、わざわざ日本語訛りを強調する意味もあまりないです。

 

 

非ネイティブから見たきれいな英語とは何か?

「訛りのある英語を自信をもって話そう。」「英語は国際語。ネイティブの専有物ではない。」という主張が流行っていると思います。という事は彼らと英語を話す際にもネイティブらしい英語を話すことがそこまで評価されないのではないかと考える方がいると思います。

しかし僕は、彼らと話す際こそネイティブの発音で英語を話すことが高く評価されるように思います。

まずそもそも、これらの国々での英語教材は当然英語ネイティブの発音で読まれると思います。人々の考えでは自然と、このようなネイティブの発音が正しいものだと思うようになると考えられます。英語が日常で話されていない中国、韓国、日本などの国々でこの傾向が高まると思います。英語を聞く時間の内の大半が学校で英語を勉強する時間であると思われるからです。

それと持論ですが、世界中の大部分の非欧米諸国は欧米に対する憧れや羨望、嫉妬を抱いています。欧米コンプレックスは何も日本に限ったことではないと思います。これは欧米諸国がこれまでの数百年間世界の覇権を握ってきたからなのでしょう。文化の点でも彼らの影響力は圧倒的です。日本でも中国でも中東でも、アフリカでも、ファッションブランドのモデルは欧米人を多く起用していますし、イタリアやフランスのブランドは高い人気を誇ると思います。アメリカ映画やドラマ、音楽はほぼ世界中の人が知っています。

またこのレポートによれば、サハラ以南の国々では何と実に人口の3分の1が国外に移住したがっているようです。彼らがどこに移住したいかというと、トップからアメリカ(33%)、イギリス(11%)、フランス(6%)、カナダ(5%)となっており欧米諸国が上位を独占しています。

この様な欧米文化への憧れがあるからこそ、英国や米国の本場の発音の印象も高くなるのだと思います。旧英国植民地では英国式の発音が特に上品で教養のあるものだと考えられており、イギリスのテレビ番組は大人気でほぼ全員が見ています。イギリスの俳優や芸能人はとても人気であこがれの対象です。

ハリウッド映画やドラマ、プロスポーツ等の影響でアメリカ英語に対する憧れもあります。日本でもあのハリウッドスターみたいに英語を話したいという気持ちがモチベーションになる人がいると思いますが、この現象は世界中にあるように思います。

つまるところ、諸外国、特に旧英国植民地では訛りの無いイギリス人やアメリカ人の様な英語を話すことがステータスとして捉えられているのです。

 

植民地では英語は支配者の言葉であり、何百年間も英語を話すことが成功の為に重要であったのです。英国本国へ留学することが出来たのはほんの一握りのエリートだけであり、本場の発音の英語を話すのが上流階級のシンボルとして捉えられていたのかも知れません。現在でも旧植民地の富裕層は子弟をアメリカンスクールやブリティッシュスクールなどのインターナショナルスクールに送ることが普通だと感じます。自分の子供を英国やアメリカの大学に送ることはとても鼻が高い事です。
そして僕ら日本人も、欧米文化に対する憧れがあるのは否定できないと思われます。

 

ではなぜ様々な訛りを肯定的に捉えよう、という潮流が最近存在するのでしょうか。

 

 

これは、自国訛りがマイナスのイメージでとらえられている人々から起きている反発運動として考えられると思います。背景にはこれまでお国訛りがかっこわるい、または正統派英語ではないと考えられてきた歴史が存在すると思うのです。彼らの気持ちは凄く分かります。僕が会ったシンガポール人は結構の確率で、シングリッシュシンガポール流の英語)を話すのが実は恥ずかしいと言います。

さらに、これらの国々では学校や政治の場で英語が使われているために、小さい頃から身に沁みついた自分たち独特の英語は直そうと思っても現実的に難しい、または周りから浮いてしまうという状況があると考えられます。このような中では自分たちの話す英語を肯定的に捉えようと思うのではないでしょうか?さらに、旧宗主国に対して感じてしまう憧れの感情が存在する一方で、かつて隷属を強いられたという屈辱の記憶も忘れられていないと思います。彼らにも自国愛やナショナリズムが当然存在します。かつて彼らに奴隷の様に扱われたのに彼らの様に話したい、彼らの文化がうらやましい、等と公言するのは彼らの感情を考えると難しいのではないかと思われます。

旧宗主国に対して感じてしまう憧れの感情が存在する一方で、かつて隷属を強いられたという屈辱の記憶も忘れられていないと思います。彼らにも自国愛やナショナリズムが当然存在します。かつて彼らに奴隷の様に扱われたのに彼らの様に話したい、彼らの文化がうらやましい、等と公言するのは彼らの感情を考えると難しいのではないかと思われます。

以上のような現状を考慮すると、ネイティブのような発音で話すことは非ネイティブの人たちにとっても良い印象を与える場合が大半だと思います。

限られたエリートのみがイギリスやアメリカに留学出来るような国々では、ネイティブの発音で英語を話すことは高い教養、知性、社会的地位、富などを連想させるものかもしれません。

 

 

 

 

結論として、英語ネイティブ、非ネイティブと話す時どちらにおいても、ネイティブの発音により近い方がよりきれいな英語だとの印象を与えると思います。

そしてよりきれいな英語であると、英語が上手だという印象を与えるだけでなく、より説得力が増し、信用されやすくなるように思います。「人は見た目が9割」という本が昔話題を呼んだと思うのですが、これは大体正しいように思います。見た目が良い人は得をします。例えばほとんどの人が新垣結衣さんに実際に会った事がないにも関わらず、優しく明るく澄んだ心の持ち主だ、の様に思ってしまうのではと思います。

発音もその発し手の印象に強くかかわります。むしろ外見と異なり改善できる余地がかなりあるので幸運だと思います。

前に経歴詐称で問題になったショーンKさんを覚えている方は多いと思いますが、極論を言えば彼は声が良く見た目がキリッとしててかっこよかった為になぜか皆が信用してしまったのだと思います。

もしショーンKさんではなくボビーオロゴンさんが同じ内容の事を話したら皆同じくらい妄信したでしょうか?もちろん人の印象は外見により影響されると思いますが、話し方も少なからず重要だと考えています。

アメリカの政治家たちにとっても、話し方は自身のイメージひいては人気に直結するので大変重要なようです。オバマ大統領の話し方は温かい雰囲気があると同時に堂々としていて頼りになりそう、とよく言われます。またレーガン大統領はかつて俳優であり、さらにもともとはラジオアナウンサーとしてキャリアを始めたため大変ダンディーな声であり、それが政治人生に大変役立ったそうです。

そもそも僕ら日本人にとって声の重要性は、声優という仕事の存在からも明らかではないでしょうか?

 

 

 

  

 

なぜ日本では日本人英語でも問題ないという事が語られるのか? 

個人的には、多くの人、特に中高年の方々が言う「日本語訛りでも何も問題は無い」や、極端な例では「日本語訛りが強いほどいい」などというのはイソップ寓話でいうところの酸っぱいブドウなのではないでしょうか?つまり、自身の発音の悪さについて心の中ではコンプレックスに感じていながらも、自己肯定の為に発音は関係ないと自分に言い聞かせているという事です。

あとはもうすでに50代、60代になり発音矯正が現実的に難しくなっている日本人男性のお偉いさんが雑誌インタビューとかで発音は日本人英語でも問題ない、という場合が多いです。この中には、自分の発音がもうどうしようもならないから強がっているだけの場合もある可能性があります。

もう一つの可能性としては、英語学習本や雑誌が売り上げを伸ばす目的で、上に書いたような様なコンプレックスを持っている日本人英語学習者がその様な彼らが聞きたいことを言っているのだと思います。自分の発音の悪さを気にしている人にとってはその様な甘言はとても誘惑的です。人は自分の信じたいものを信じ、聞きたいことを聞くものですから。

 

このような主張をする際に一般的に言われるのが、「発音だけきれいで中身のない話をする人」より「発音はコテコテの日本語訛りだが話の中身のある人」のほうが良い、という主張だ。

いつも思うのだが、なぜこの二つの極端な例だけ提示して発音は悪くても構わないなど結論付けるのだろうか。同じような話をする場合はほとんどの場合に発音のきれいな方のほうが印象が良くなるのだ。発音が悪いと話に説得力もなくなってしまう。せっかくいい話をしているのに、素晴らしいスピーキング力を持っているのに発音が悪いせいで理解してもらえない、偏見を持たれてしまう、おかしく聞こえてしまう、または説得力を欠いてしまう等というのは本当に損だ。

そもそもどれだけの人が、つたない英語にも関わらず耳を傾けてもらえるような素晴らしい内容のある話を出来るのだろうか? 

 

 

どんな英語が良いのか、ここでの結論としては、

英語圏、非英語圏の両方で模範とされておりイメージの良いイギリス又はアメリカの標準語を勉強すべき。少し発音に気を付ければ日本語英語でも通じるが、さらに発音を勉強してネイティブの発音に近づけることで得をする。

というものです。結局一般的に言われている事の繰り返し、斬新な考え等を提供する事は出来ません。しかし、ネイティブの発音に近づけるよう勉強するとどのような利点があるのかについての自論は明確に話したつもりです。

逆に日本人英語を話すことの利点とは殆ど思いつきません。あるとすれば英語にコンプレックスを持っている年配の上司のプライドを刺激し嫉妬心を呼び起こさないことくらいでしょうか?

よって、僕は「日本人英語でもいい」というような、一部の人たちに聞こえの良い主張をするつもりは全く無いです。発音は改善可能で、その為には地道な努力をすればよいのです。

 

次回の投稿からは僕が行った発音矯正の方法と、ある程度流暢に会話が出来るようになるまでに行ったスピーキング力の勉強法について書いていきたいと思います。 

スピーキング勉強法(1):発音を学ぶ理由(前半)

今回から僕の考えるスピーキングの勉強法を書く予定で、個人的には発音の勉強はとても大事だと考えています。そこで、そもそもなぜ発音を良くする必要があるのか考えていきましょう。

 

僕の意見は以下のようなものです。

「ネイティブに間違われるほどの発音は目指す必要が無く、そもそも不可能。ただし日本人が発音の勉強をせずに英語を話すと頻繁に誤解が生じるので最低限の発音矯正をすべき。通じる英語からさらに流暢な英語を目指すできかは自分の好みによる。」

 

発音の重要性を考える時には機能面と美的観点を区別して考える必要があると思います。機能面とは、英語をただの意思疎通の為の手段として考え、お互いが理解し合えるように発音を分かり易いものにしましょうというものです。

美的観点から考えるという事は、発音を勉強する事で美しい又はかっこいい英語を話すようになるという事です。

機能面のみを考えた場合には、そこそこの発音の勉強をするだけで構わないのだと思います。日本語に存在しない英語の発音をしっかり学んでそれを言い分ける事が出来ればそれで十分です。しかしもし美的観点から考えた場合は、訛りの無いはっきりとした英語を話すためにそれ以上努力する必要が出てくると思います。

この発音の美的観点に関する議論は結局、どんな英語が美しいかという話に行き着きます。それは裏返せば、「美しくない、汚い、かっこわるい英語」の存在も認める事となります。このことが僕ら英語の非母国語和者(日本だけに限定せず世界中の)を感情的にさせるのかなと考えています。ネイティブ至上主義は悪であり、より多様な英語を認めるべきという主張はこの点からも考えられると思います。この点はこの投稿の後半により詳しく話しますので、まずは機能面から見て何故僕ら日本人が発音を勉強する必要があるのか見てみましょう。逆に発音が悪くても良いという代表的意見を3つを取り上げて、それに対する僕の反対意見を述べます。

 

意見1:英語は国際語なので様々なアクセントを許容すべき。

これは通じればいいのだ、という事です。これは僕も同意します。母国語に影響を受けた英語を話すことは普通で、留学先でも様々な英語を聞く事になると思います。しかし同時に、「みんな違ってみんな良い」が度を越してしまうとコミュニケーションを取れない程英語間の差異が出てしまいます。

非英語話者の話す英語が理解不能な場面に遭遇したことはあるでしょうか?特に旧英国植民地出身の方々の英語はそれ以外の人たちにとって理解が困難な傾向があります。これは多言語環境の旧英国植民地で国内の共通語として英語が使われている状況で、母国語の影響によって英語がクレオール化するからでしょう。

僕が実際に何度も経験し、上の条件に当てはまるナイジェリア(国内に300言語程存在する)とボツワナからの留学生が授業中発言し、他国からの留学生はおろかネイティブの英語教師すら発言内容を全く理解できませんでした。しかし彼ら同士はその英語で休み時間には普通にその英語で談笑しているんですね。

インドの方々の話す英語が分かりづらいのも、多言語国家内でのインド人同士の共通度として英語が機能しているからという理由もあると思います。

国際語は皆が意思疎通を取れる言葉であるべきなので、多様な英語間の差異を少なくするために世界中の皆が一応の手本とすべき模範英語が存在すべきだと思います。日本でもかつて、鹿児島と青森の人の話す言葉が違い過ぎて意思疎通が出来ず政府が東京方便を元に共通語を造ったと聞きます。中国も同様に普通話を作り出しました。

この手本となる英語が何なのかは意見が分かれますが、一般論としては世界中の誰もが米国のハリウッド映画やテレビ番組、CNNやニューヨークタイムズ等のニュースに触れていることから便宜上にアメリカ英語になるのかなと考えています。

 

もちろんこれは僕ら日本人には凄く不利です。ヨーロッパ言語の中でも得に発音が英語に凄く近い国の人たちは発音矯正をあまりする必要がなく、母国語訛りで話してもそもそもヨーロッパ言語の発音体系が英語と近いのでほぼ問題になりません。しかし僕らが思い切り日本語訛りで話したらかなりの確率で理解されませんので、勉強が必要になります。

 

意見2:話の中身が大事なのだ。日本人なのだから自信をもって日本語訛りの英語を話すべきだ。

まず話の中身が重要という点は美的観点の話なので投稿の後半に詳しく話しますので、どう話すかも非常に重要と言う事だけに留めます。同じ内容の話を福山雅治さんの声で言われるのとボビーオロゴンさんの声で言われるのとでは印象が変わると思います。

ここでは日本人英語で堂々と話せばいいのかについて話します。僕の考えは、

「自身の発音を少しでも多くの外国人にとって分かり易いものにする努力をするべきだ」という事なのです。僕は日本語訛りの英語でも本人が好めば問題ないと思うのですが、それでも発音の練習が必要なのは、日本人が英語を普通に話すと結構な頻度で理解慣れない事があるからです。

僕自身も最初は発音が物凄く悪く、留学を始めてから半年ほど、自分の言っている事をネイティブが理解していないような場面に何度も遭遇しました。紙に英語を書いたりすると相手も納得する場面が何度かありました。留学先で教材を買って発音の勉強を集中的に行ったところ、このような場面がぐっと減ったように思います。

しかしより問題だと思うのは、単語の発音を間違って覚えている、又は覚える努力すらしないのに、これは間違いでは無くただの日本語訛りなのだと正当化している場合です。

例えばどうしてもthの発音が出来ない、RとLの言い分けが出来ないなどという場合は仕方ないかもしれません。しかし単語を覚える時に発音を確認しなかったりして正しい発音を知らない場合はそれを日本語訛りだから等と言ってよいのでしょうか?

日本人なら何も問題なく言い分ける事の出来る発音の一つに、

ɔː(オー)」と「(オウ)」

があります。

このペアは、「oar owe」、 「bore bow」 「four foe」 「haul hole」「horse hose」、「jaw Joe」、「law low」、「more mow」、 「roar row」 など、際限なくあり全て全く異なる意味の単語です。反対に覚えている、又はそもそも区別していない人は話す時に誤解を生むので直した方がいいですし、日本人なら楽に言い分けできます。

これは言い間違えると通じないことが多いです。以前僕がアメリカ人に、「法律を勉強してるの?」?と聞こうとして”Do you study low?”とLaw(ロー)ではなくLow(ロウ)を使ったしまい、相手は何の事か全く分からないようでした。間違いに気づいてLaw(ロー)と言い直したところ向こうは「ああLawの事ね」と僕の間違いを理解した様でした。

カタカナが原因でこの様な間違いが発生する時もあり、この場合は日本語訛りといえるでしょう。オーストラリアのゴールドコースト(Gold Coast)は「ゴウルド・コウスト」のように発音します。

 

もう一点、日本語英語だとある程度の速度で英語と話すと理解不能になってしまう事があるように思います。また、単語ごとのつなげ方(リエゾン)の方法を学んでいないとそもそも流暢に話すことが出来なくなります。会話のテンポはとても大事だと思うので、将来ある程度の速度で英語を話したいのに発音を学んでいないせいで出来ないという事態にならないためにも発音の勉強は大事です。

 

 

 

意見3:それでも俺の日本語英語の発音は通じてるから問題ない

ちょっと間違った発音をしても特にネイティブは大体意図をくみ取ってくれます。僕らが英語の長文を読むときでも単語一つわからなくても大体は書いてあることがわかりますね。しかしこれにも限度があり、新し話題を言った時などには情報が少なく混乱する場合があります。

 文脈にもよりますが、例えばモンゴルから日本に来た留学生にいきなり「ザイアンって自分勝手だよね」と言われてすぐピンとくるでしょうか。ドラえもんの話をしている時だったらジャイアンの事かと分かるかもしれませんが。

そもそも発音がわるくても通じる場合は相手に負担をかけています。「なにを言う。こっちはわざわざ英語で話してやっているんだぞ!我慢しろ!」ですか、僕も何百回かそう思いました。しかし自分の発音が悪すぎて相手に常に類推させるのは、相手を不用意に疲れさせてしまいます。

 

さらに、相手方が聞き返すのが失礼だと思って黙っている可能性もあります。

これも僕自身の体験ですが、ポーランド出身のクラスメートがいて、彼女の英語が訛りが強いというか発音の間違えが多すぎてほぼ理解不能でした。彼女のプレゼンテーションの後、ネイティブの教授も理解に苦しんでいるようで、アメリカ人のクラスメートも何も分からなかったと言っていました。しかし皆で一緒にいる時に彼女に対して「言ってることが分からないからもう一度言って」と誰かが聞き返す場面にはほぼ一度も遭遇したことがありません。 

留学先のお昼の時間にそこまで親しい中ではない、または知り合って間もないクラスメート4,5人で話していると仮定しましょう。こちら何かの発言したけれど発音が悪すぎだという理由で他の人たちが僕の発言を理解しなかったとします。

僕の経験上、このような場合には彼ら「Hmm」とか「You're right」とか「Really?」言うだけか、あるいは相槌ひとつ打って、そのままその発言を踏まえずに会話を続けていくと思います。わざわざ誰か一人の留学生の発言の内容を再確認するためにそれまでの会話の流れを遮るかどうか、それは時と場合によると思います。みんな自分の話がしたいですし。

しかも、僕ら日本人留学生が大人数の会話、それも向こうの英語レベルが高い場合に参加している時って多くの時間聞き役だと思います。その場合には彼らが会話を主導していて、そこに僕が何か合いの手を入れる形になるのですね。すると大抵の場合は僕の発言を分かっていなくても彼らは何も問題なく会話を続けていけるのです。

母親は赤ん坊の英語の間違えを逐一直してくれますが、同じことを親しくもない他人に求めるのは少し酷です。

 

そもそもの話、アメリカやイギリスで相手の英語の間違えを指摘することは大変失礼なことだと考えられているのでおそらく誰も僕らの間違えを直してくれません。僕が一年以上シェアハウスして暮らしてた友人数人に「僕の英語よく間違ってる?」と聞いたら「実は結構間違ってる」と言われました(笑)。なんで指摘してくれないのかと聞いたら、英語の間違えを指摘するのは凄く無礼な事だし、多くの場合は文脈とか表情から言いたいことは分かる、もしくは分からなくても問題は無い、と言われました。 

 

長くなったので、ここで一旦終わります。

次回の投稿では、ネイティブ至上主義、美しい発音とは何なのかなどについて書く予定です。意思疎通に問題が無いレベルの発音を手に入れた後にさらに発音の練習をすべきかどうかについても書きます。

リーディングの勉強に米国のアトランティック紙を勧める理由

前回の記事では日刊英字新聞を安易に購読せず、その代わりにやさしめの週刊誌を読むべきと書きましたが、僕がダントツで一番勧めるのが

The Atlantic(アトランティック)紙です。

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日本での知名度はそこまで高くありませんが、アメリカではあのニューヨーカー紙と並べて語られるとても有名な雑誌です。実はこれ、週刊誌ですらなく年に10回発行されれるので前回のおすすめの週刊誌では話しませんでした。しかしネット購読すれば毎月の配達まで待つ必要も無いので心配いりません。

米国政治、文化、テクノロジーなどの報道欄がある中で特に僕が好きなのは国際報道欄です。アトランティック紙のホームページでGlobalと書いてあるセクションがそれです。1日平均2記事がこの欄に乗るので、これだけ読めば無理なくこなせる量だと思います。

面白い記事ばかりで、例えば「地政学の逆襲」、「バルカンの亡霊たち」などで名高い外交ジャーナリストのロバートカプランが2016年まで30年間この雑誌の国際報道欄でジャーナリストとして働いており、購読すればそれらの記事が読めます。

オバマ・ドクトリン」という超有名論文(国際政治学とかの大学院のリーディングで多分出てきます)をこの紙に載せた、外交・安全保障分野でとても著名なジェフリー・ゴールドバーグがアトランティック紙全体の編集長として働いており、彼のもとで外交等の国際報道が重視されていると思います。

 

扱われる地域は世界中に及んでいて、これを読めば国際情勢についてより詳しくなれると思います。

それが良く分かるように、これまで20日間の記事のタイトルを書きだしてみようと思います。

 

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5月22日

「香港の終わり」

「世界中のコロナウイルス対策」

「今週の写真」(毎週世界中で取られた30枚前後の興味深い写真が載せられます。一例として下の写真)

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5月21日

「コロナの中でのラマダン」

「香港の革命歌は北京への挑戦」

5月20日

「英国政治:コロナ危機でも政治団結出来ず」

5月19日

「優雅なフラミンゴ」

5月18日

「コロナ後に来る地政学的変動の恐怖」

5月17日

国際報道欄は記事無し

5月16日

「ついに台湾の時が来た。」

5月15日

「コロナに付け込んで。中露は南極火事場泥棒」

5月14日

「何故私は”Believe Women”運動(米国のMeToo運動の事)を一切信じなかったのか」

「なぜ米国は他国から学ぶことに抗うのか」

「米国の民主政治はコロナ危機を乗り越える」

5月13日

「指導者たちがマスクを着用するスロバキアから得られる教訓(トランプはなぜかか頑なにマスク着用を拒む)」

5月12日

「コロナ危機に他人で一杯の部屋に気兼ねなく入れる日はいつになるのか?」

「2020年写真コンテスト:自然部門」(下は例)

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5月11日

「ロシアの米国大統領選介入:プーチンは次の選挙を盗みとるつもりだ」

5月10日

「ブラジルの現在の惨状はまだ始まりに過ぎない」

5月9日

記事無し

5月8日

ベネズエラのコロナ危機が他国とどう異なるのか」

「今週の写真」

5月7日

パキスタンラマダン実施決定を取りまく緊張」

5月6日

パンデミック中の動物たち」

「中国による国際機関への金が中国の国際舞台での影響力向上に役立ちつつある」

パンデミックが世界中の独裁者たちの剤弱さを露呈した」

 

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こんな感じになってます。

個人的に残念なのは、コロナ危機のせいで記事がコロナ関連の出来事に集中している事。いつもはもっともっと広いトピックを扱っているのでそれを読者の方々に知ってほしかった。

大体一日に記事が二つくらいだというのがお分かりいただけたでしょうか?もしこれらを読んでしまってまだ読みたい場合は他の欄の記事を読んでみればいいのでは?

 

気になる購読料は1年のネット購読で6000円。しかし購読してなくても月に5記事までは無料で読めます。是非試してみてください。

 

 

99%の日本人に日刊英字新聞はやりすぎ

この投稿では日本で英語の勉強をしている人や、これから英語圏の大学院への留学を考えている人がリーディングを勉強する時にお勧めの教材について述べようと思います。

 

題名の通り、有名どころの新聞は量が多すぎるのでやめた方が良いと思うのです。

僕らが耳にしたことのあるような英語圏の新聞は難易度も分量も僕らの手に負えない程高いです。TOELFのリーディングセクションがなんとか満点近くとれる人でもニューヨークタイムズワシントンポスト、フィナンシャルタイムズなどの高級紙を毎日しっかり読みこなすのはかなりきついはずです。

 

かなりの確率で挫折します。日に日にたまっていく未読の新聞の山を見て自分の英語力の無さに落胆するのが想像できます。これは勿論僕も体験しましたが英語を勉強したくなくなります。「英語の記事をもっと読みたい」ではなく、たまっている記事を「読まなくてはならない」という気になるのです。

この「~をしなければいけない」という感情は英語の勉強の継続をとても難しくし、勉強のやる気もそがれます。

 

また、これらの高級紙をしっかりと毎日読みこなすのは英語ネイティブでも一苦労です。モハメド・アミンさんと言う会計会社PcWでアドバイザリーボードを勤めていた人が、若者に成功したキャリアを築くためにどんなものを読むべきか書いている記事があるのですが、ネイティブに向けたアドバイスの中で彼がフィナンシャルタイムズ(FT)は分量が多すぎて消化しきれないとはっきり言っています。

 

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成功の為にはThe Economistを読め

PcWのパートナーを務めた自分の責務の一つがスタッフへのキャリア、出世に関する助言である。出世の為にはこの社の仕事である税金に関する知識を習得することが必須であるが、まだ足りない。わが社で、というかどの会社でも重役まで上り詰める為には今のビジネス全体のあり方、現在のビジネスでの話題やトレンド、それ以外にも国内政治や国際情勢などに関する知識が不可欠だ。
ではどうやってそれらの知識を身に着けられるのかと聞かれるとき、常にThe Economistとフィナンシャルタイムズ(以下FT)と答える。
しかし同時に、FTを購読することは勧めてない。一つに、金融市場に関わる詳細なデータをFTは提供しておりこれが高額な購読料の原因の一つであるが、これはほとんどの人は読まないし読む必要が無いからである。The Economistは逆に全ての人に間違いなく勧める。

以下に自身の新聞、雑誌購読の経験について書く。
自分がPcWのパートナーであった時、会社がFTの購読料を払ってくれていたので読んででいた。The Economistは通勤の時にいつも買って読んでいた。
仕事から引退してからは当初、ネットで読める無料の記事、その中でもタイムズ紙(米国の週刊誌タイムとは異なる英国の高級紙)から毎日その日のニュースの通知を受け取って読んでいた。タイムズ紙がネット記事を全て有料会員のみに公開するようになってからは、無料であったためデイリー・テレグラフ紙を数か月読んでいた。

しかしある日はっと思ったのだ。「何故私は今依然読みもしなかった質の低いものを無料だからという理由だけで読んでいるのだ?」と。
そしてすぐに自分はFTとThe Economistの購読を開始したのだ。

結論としてだが、
FTは国内記事と海外記事どちらも最良質の記事が読めるが、おそらくほとんどの人にとっては(情報量が多すぎるため)過剰である。
しかしThe Economistは自身のキャリアを真剣に考える全ての人に勧める。例えキャリア、出世などにそこまで関心がなかったとしても、最高のクオリティーの記事を読むべきであり、質の劣るものをただ安いから、無料だから、という理由で読むのは止めるべきだ。
最終的には、自身の読んだものがその人を造っていくのだから。

 

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(引用終わり)

 


英語ネイティブの人でもFTを毎日読むのは量的にきついというのはとても参考になると思います。だとしたら僕ら日本人にはとてもではないけれど無理なのではないでしょうか?

 

僕が代わりに勧めるのは週刊誌です。

一つ目の理由として、一週間当たりの量がこちらの方がかなり少ないです。日刊紙を読むのを一週間近くさぼったらとてつもない量の紙の山がたまりますが、週刊誌なら一冊だけです。

第二に、記者が一週間かけて書くのでより正確な記事が多いという事です。より入念に下調べが出来ますし、一つの記事についての情報量が多いです。

三つ目の理由として、その一週間で起きた出来事の中から重要なニュースだけを扱ってくれているという点です。今日起きたニュースのかなでも1週間後にまだ価値のあるニュースと価値の失ったニュースがあると思います。より重要なニュースのみを書いてある週刊誌はこの点で優れています。

 

また、週刊誌を定期購読することで、リーディングの教材のためのネットの無料記事を探す時間と手間が省けます。無料のネット記事は無限にあるのでどれが適しているかなどと探す時間自体がもったいないです。その時間を是非英語の勉強に使ってください。

それにネット記事にも質の高いものもあればあまり信用の出来ない発行ものもあると思います。この点でも信頼のおけるものを定期購読することで解決できます。

 

では具体的にどんな週刊誌を勧めるのかを書いていきます。

まず忠告として、The Economistエコノミスト紙)は週刊誌の中でも最高の難易度を誇るので止めてください。先ほどの引用記事でアミンさんがエコノミスト紙を勧めていましたが、それはネイティブの大人に向けてのアドバイスです。これを読んでいる大学院留学を考えている方はエコノミスト紙の量と難易度に太刀打ちできないと思います。頑張ってゆっくり読めたとしても、一冊100ページ程ありまうす。1ページ読むのに1時間かかるとして、1週間に100時間使えますか?

1ページ20分としても全部読むのに33時間かかります。ちなみにですが、IELTSで8.0取得してからさらに留学先で2年経った時の僕で1ページ精読して20分ほどです。当時を思い出しても、楽しくてすらすら読めるというレベルでは到底なかったです。難しい単語ばかりだなと感じ、正直苦痛でした。

 

NewsweekとTime for Kidsを勧めます。

もちろん他にもニューヨーカーなどの有名な雑誌がありますが、難易度が高いのではと思います。ニューズウィークはこれらより難易度が少し落ちるので敷居が少しだけ低いです。

ただこの記事を読んでいる方に勧めたいのはTime for Kidsです。Time紙の子供向け版ですが、僕らは明らかにネイティブの小学校高学年の生徒よりリーディング力が劣っているので本当にこれでちょうどいいか難し過ぎるくらいです。

もししばらく読んでみてあまりにも簡単すぎるという場合はTime、 Newsweek、 New Yorker 等の大人向けの雑誌に移行してください。ただし、簡単だなと感じるくらいのレベルの教材のほうがリーディングの勉強が長く続くと思います。少し簡単な英文のほうがより大量にこなせるので自分が知っている単語をより深く理解する手助けにもなります。

反対に自分のレベルに合わない程難しいものに手を出すとすぐ挫折します。モチベーションが無くなる時も必ず訪れますし、その時に簡単な教材があれば気晴らしにでも読めますが、頭をすごく疲れるほどの難解な教材があるとすぐ投げ出してしまうと思います。

簡単なものから少しずつ初めて行ってください。

 

大学院留学に英語小説を読める必要はないし読めるようにもならない

 小説の英語は留学で使う英語より桁違いに難しいです。持論ですが、

  • 留学で必要な英語=国際共通語としてのインターナショナル英語
  • 小説の英語=ネイティブの英語

です。全く難易度の違う言語だと感じる程、難易度に差があると思います。

 

ここで言う英語の小説とはネイティブの大人向けの本格的な小説の事を言っています。大人向けの小説でも例外的に簡単なものはあります。例えばジョージ・オーウェルの動物牧場は出来る人なら半日くらいで読めると思います。しかし皆が知っているような有名作家やピュリッツァー賞受賞作品などの本格小説の原書は本当に難しいです。ハリーポッターはネイティブの小学生が簡単に読みますが、僕らにはこれですら難しいです。

正規学部留学をした人でも普段から英語の小説を読む努力をしていなければほとんどの人が太刀打ちできません。周りで学部留学をした人たちもそう話していました。僕は留学3年目の半ばにジョン・ル・カレというスパイ小説の大家の「繊細な真実(A Delicate Truth)」という本を空港でたまたま買って挑戦してみたのですが、精読して1ページ30分かかりました。難し過ぎて手も足も出ず、辞書が無ければ到底理解不能でした。

何故小説はこんなに難しいのか、そして留学していても読めるようならないのか、考えられる理由を下にいくつか書いてみます。

 

1.小説で出てくる、生活の中で必須の単語や固有名詞を学ぶ機会が全くない。

論文や教科書で使われる学術英語と小説の英語とでは使われる単語や表現がすごく異なります。

小説内では情景描写の時にどんな場所にいるのか読者に伝えるために身の回りのものの単語が沢山出てきます。例えば台所の用具の名前とか寝室にある物の呼び名、動植物の名前などです。また、ニュアンスの異なる動作に関する動詞が小説には大量に出てきます。例として、人が動くとき「スーッと移動する」、「のそのそ動く」、「ふらふら歩く」、「急にばっと動く」、「すたすた移動する」、「どしどしと足音を立てて動く」、「音を立てずに静かに移動する」、「(ペンギンのように)ひょこひょこ移動する」等のニュアンスの違いはそれぞれ動詞一つの使い分けだけで表現できます。しかし留学していて論文や専門書を読んでいても、またネイティブと普段話す機会のあるひとでもこの様な動詞に頻繁に出会う機会ってほとんどないです。たとえ実際に会話の中で使われても良く分からないから聞き流し、その後に意味を調べる事すらないと思います。一番いいのは仲のいいネイティブの友人にその場で実演してもらうことです。そのようなお願いが出来るネイティブの友人がいれば心強いですね。

また、登場人物たちの心理描写などの時の単語も留学先の授業内容とは関係の無いものがほとんどです。

このせいで、これら小説で出てくるような日常生活で使う単語や表現を学ぶ機会が留学中ほとんどありません。

 

2..小説では英語の文章構造自体違う

説明が難しいのですが、日本でも中学校に入り国語の授業で評論文を初めて読んだときに凄く難しく感じた経験は無いでしょうか?なんて硬い文章なんだ!と。英語でも小説と論文では単語だけではなく文章の書き方がかなり違います。英語学習者の僕らの場合は日本にいても、留学先で勉強している時もほぼこれら評論文を読んでいるようなものですので、いきなり小説を読むと面を食らいます。これはひたすら小説を読んで慣れるしかないです。

 

3.小説内の状況には留学先でも出くわさない。

小説の舞台が戦争や古い時代、会社、法律関係などの職場の場合には留学したところでこれらの状況は経験しませんね。するとそのような戦争や中世、19世紀を語る時によく使われる単語や表現を耳にすることはほぼ無いです。留学したところで自分からそのような本や番組を見ないとそれらの英語を覚える機会自体が無いのです。そもそも留学先で毎日遅くまで図書館籠りの日々が続くはずなので、日常生活でよく使う単語や表現を学ぶ日本人留学生自体がかなり少ないと思います。

そもそも色々な状況を自分で体験したとしても、その状況をどう正しく英語で表現するかを学ぶ機会って留学しててもあんまないですね。

 

4.小説では単語レベルに上限が無い。

これが最大の理由です。

学術分野の世界共通語は英語です。ですので論文も彼ら非ネイティブでも分かるような表現が使われる簡単な表現や単語が使われる傾向にあると思います。勿論これはその分野にもよりますが。例えば科学や経済学などの社会科学でこの傾向が顕著だと思います。ヨーロッパのカンファレンスなどは非ネイティブが大多数の中英語で行われるので、論文内の英語が簡略化されます。

対して小説の英語はネイティブを読者に想定している芸術作品です。有名作家の作品は他の言語に翻訳されるので彼ら向けに分かりやすい単語を選ぼうという動機もほぼ無いです。このせいで英語で書かれた小説というのは語彙の上限が吹っ飛び、ネイティブしか知らないであろう単語や表現が容赦なく使われます。

単語のレベルだけではなく、下に書くSavile Rowなどのイギリス人やアメリカ人なら知っていて当然と思われる歴史や常識、また誰もが知っているであろう映画やテレビ番組からの引用的なものも頻出します。日本では「どんぶらこー、どんぶらこ=桃太郎」とすぐ分かると思うのですが、日本で生まれ育った私たちには自明のこの比喩も外国人が理解するのは難しいと思います。

同じことが、アメリカ人やイギリス人向けに書かれた小説を読むときにも起こります。英語自体は分かっても何の話をしているのかが分からないのです。

 

 

以上の理由から、本格的な小説をすらすら読める力は大学院留学で求められる英語力のはるか上だと思うのです。もっとはっきり言えば、大学院留学で求められる英語は国際共通語リンガフランカとしての英語、小説の英語はネイティブの英語と言ってもいいかも知れません。両者にはかなりの隔たりがあります。

例えばですが、東京の日本語学校で勉強している外国人留学生同士が日本語でコミュニケーションをとっているとしても、彼らの使う日本語は僕ら日本語ネイティブが数人で集まって話している時に使う日本語とかなり異なるものになると思います。

同様にして、英語ネイティブの間で使われる英語と非ネイティブ留学生が使う英語はかなり違いがあります。ネイティブが僕らに話しかける時もかなりの場合彼らは手加減して比較的易しい単語でゆっくり話しかけてくれます。

すでに留学を経験された方は分かると思うのですが、ネイティブと話すより他の留学生の英語の方がはるかに分かり易くありませんか?ネイティブ数人と自分で会話してる時などは難易度はさらに上がります。話す速度だけではなく、非ネイティブの方が使われる表現が限られるからだと思うのです



となると当然、非ネイティブも念頭に入れて書かれた学術論文よりも、ネイティブに向けて書かれた小説のほうがはるかに難しいのは納得いくのではないでしょうか?

意思伝達の手段という機能を重視した国際共通語としてのインターナショナルな英語と、英語母国語話者達の英語は別のものとなりつつあり、その差は広がる一方です。僕たちが留学する際も、周りの人間の多くは他の留学生であり、非ネイティブの学者が多い分野の学問を英語で学ぶことを考えると、そこで学ぶのはこのインターナショナル英語になる可能性が高いと思います。大学院留学ではこの傾向は特に高まります。

 

 

 

ここからは二冊の英語の小説から英語を抜粋してみて、どのくらい難しいのか見てみようと思います。1つ目がCider with Rosieというイギリスのロングセラー本です。その1ページ目の英語を全てここに載せます(最初の15ページをpdfで見つけました。)。この本はLaurie Leeさんという有名な詩人の幼年時代の自伝小説で、イギリスの本屋では伝記小説コーナーでは必ず目立つところに置いてあると思います。一見かわいい感じの本で、交換留学中に挑戦してみましたが、辞書を使いながらですら1時間で4ページくらいしか進みませんでした。は特に難しいと思ったら単語や熟語語

です。

 

I was set down from the carrier’s cart at the age of three; and there with a sense of bewilderment and terror my life in the village began.

The June grass, amongst which I stood, was taller than I was, and I wept. I had never been so close to grass before. It towered above me and all around me, each blade tattooed with tiger-skins of sunlight. It was knife-edged, dark, and a wicked green, thick as a forest and alive with grasshoppers that chirped and chattered and leapt through the air like monkeys.

I was lost and didn’t know where to move. A tropic heat oozed up from the ground, rank with sharp odours of roots and nettles. Snow-clouds of elder-blossom banked in the sky, showering upon me the fumes and flakes of their sweet and giddy suffocation. High overhead ran frenzied larks, screaming, as though the sky were tearing apart.

For the first time in my life I was out of the sight of humans. For the first time in my life I was alone in a world whose behaviour I could neither predict nor fathom: a world of birds that squealed, of plants that stank, of insects that sprang about without warning. I was lost and I did not expect to be found again. I put back my head and howled, and the sun hit me smartly on the face, like a bully.

From this daylight nightmare I was awakened, as from many another, by the appearance of my sisters. They came scrambling and calling up the steep rough bank, and parting the long grass found me. Faces of rose, familiar, living; huge shining faces hung up like shields between me and the sky; faces with grins and white teeth (some broken) to be conjured up like genii with a howl, brushing off terror with their broad scoldings and affection. They leaned over me – one, two, three – their mouths smeared with red currants and their hands dripping with juice.

 

「バッタが鳴いていた」とか植物とか果物の名前が出てきたり、「干しブドウで口が汚れていた」、「手からジュースが滴っていた」とかの表現が使われてます。英語圏で生まれて生活していたら絶対に分かるような表現なので、ネイティブの小学生なら普通に理解できる文章だと思うのです。けれど留学中に野原のなかで遊びまわり、しかもそこでネイティブと周りの状況を英語で話すって機会は無いですよね。

これ読んでる方でこの英語簡単って人はなかなかいないと思います。TOIEC満点でもこのレベルの単語力っていらないですし。この様に小説(ここでは自伝ですが)で使われる単語の難易度が物凄く高いです。

 

 

二つ目に、先ほど挙げたジョン・レ・カレさんの「パナマの仕立て屋」という小説が無料で読めるので最初のページの英語をここで見てみましょう。

で書いたのは留学中の授業ではたぶん必要なく、また出くわさないだろう単語です。砕けた単語だったり「ベッドから飛び上がった」など暮らしの中で使われる表現なので、ネイティブと暮らしているか、自分から普段英語で小説を読んでいないとなかなか覚えないものだと思います。

 

It was a perfectly ordinary Friday afternoon in tropical Panama until Andrew Osnard barged into Harry Pendel’s shop, asking to be measured for a suit. When he barged in, Pendel was one person. By the time he barged out again Pendel was another. Total time elapsed: seventy-seven minutes according to the mahogany-cased clock by Samuel Collier of Eccles, one of the many historic features of the house of Pendel & Braithwaite Co., Limitada, Tailors to Royalty, formerly of Savile Row, London and presently of the Vía España, Panama City.

Or just off it. As near to the España as made no difference. And P&B for short.

The day began prompt at six when Pendel woke with a jolt to the din of bandsaws and building work and traffic in the valley and the sturdy male voice of Armed Forces Radio. ‘I wasn’t there, it was two other blokes, she hit me first and it was with her consent, Your Honour,’ he informed the morning, because he had a sense of impending punishment but couldn’t place it. Then he remembered his eight-thirty appointment with his bank manager and sprang out of bed at the same moment that his wife Louisa howled ‘No, no, no,’ and pulled the sheet over her head because mornings were her worst time.

‘Why not “yes, yes, yes,” for a change?’ he asked her in the mirror while he waited for the tap to run hot. ‘Let’s have a bit of optimism round the place, shall we, Lou?’

Louisa groaned but her corpse under the sheet didn’t stir so Pendel amused himself with a game of cocky repartee with the news reader in order to lift his spirits.

‘The Commander in charge of US Southern Command last night again insisted that the United States will honour its treaty obligations to Panama, both in the principle and in the deed,’ the news reader proclaimed with male majesty.

‘It’s a con, darling,’ Pendel retorted lathering soap onto his face. ‘If it wasn’t a con you wouldn’t go on saying it, would you, General?’

 

これが1ページ目です。こんなのが400ページ程続きますがすらすらこのまま読み続けられる人って帰国子女以外にほぼいないと思います。最初の赤の単語bargeと言うのは「急に、突然、ずかずかと動く」という動詞です。これも小説では頻出ですが、小説以外ではあまり言わないと思います。

mahoganyは何と木材の種類です。日本でもヒノキとかスギとか言えば僕らネイティブは普通にわかりますからこのMahoganyも英語ネイティブには全く問題ないのでしょう。

Savile Rowというのはロンドンにあるスーツの有名店が並んでいる通りです。日本語の背広っていうのはここから来てます。おそらくこれもイギリス人には常識なのでしょう。

Bandsawって何だ?と思い調べてみたら何と中学とかの図工の授業で使う下の機械でした。こんなの知りません(笑)

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以上二つから分かるように、小説は単語レベルがとてつもなく高いです。もちろんこの二つの英文で赤で書いた単語は、話の大筋を理解するうえでは重要でないです。例えばこれらの本をを要約する際にはほぼ省かれる部分だと思います。しかしまず、それらの単語の意味が分からないとそれらが重要かどうかすらわかりません。

しかし何となく何が起こっているか分かるという程度の段階で果たして小説を楽しみながら読めるのでしょうか?小説の中で視覚、聴覚情報が入ってくる情景描写などは小説の醍醐味の一つではないでしょうか?例えば有名な「グレート・ギャッツビー」はこの様な物語の本筋とはあまり関係ない装飾的部分が美しいと言われています。(気取ってるとも言われていますが。)このような世界中で評価されている英文学を芸術作品として楽しむ目的で読む場合に必要となる英語力は物凄く高いです。何年も留学している日本人学生でもそれが出来る人はほぼいないと思います。

 

結論として、留学中に必要とされる国際英語と小説で使われるネイティブの英語はかなりの差があります。もちろん小説を読んで総合的な英語力を向上させることは素晴らしいことです。けれどそれはやりすぎですし、大学院留学で求められる英語力とはなかり方向性が違います。小説の中で覚えたこれらの単語を教科書や論文で見つける機会はかなり少ないです。

シェイクスピアを代表とする英語圏の偉大な作家達の作品を直接楽しみたいという目的を持っているのでしたら話は別だと思います。その為には途方もない努力がいると思いますが、毎日大量に英語の小説を読んで、逐一単語の意味を調べて語彙力を増やすしか方法は無いです。

そして最後に忠告したいのが、留学したら小説がすらすら読めるようになるというのは幻想です。語彙が圧倒的に足りません。海外で長く生活している人でも小説を読むための勉強を自分からしていないと何十年いても一向に読めるようにならないと思います。

キングスカレッジロンドンの併願校を紹介

自身の出願の際に色々と調査して知ったことなどがあるので、キングスカレッジロンドン戦争学部の修士課程への出願を考えている方に向けて独断と偏見でお勧めの併願校を書いてみようと思います。ほぼイギリスの大学のみを記しますが、最後にアメリカ以外にある大学もいくつか簡単に紹介します。

 

アメリカの国際関係学を学べる大学院ってのはすでにかなり知られていて、他の方がすでに書いていると思うのでここでは書きません。二年間最高の環境でじっくり学びたく、かつそれが予算内の方はアメリカに行ってください。

 

KCL戦争学部に出願予定の方が考えるべきイギリスの併願校ですが、まず肝心なのが学びたい内容です。国際関係学(International Relations)なのか、その中の一分野である戦略学、国際安全保障、戦争学をより詳しく学びたいのかで出願校が変わってきます。

というのも国際関係学はイギリスのほぼ全ての大学院で提供されています。しかし戦争学や戦略学は一握りの大学しか提供していないからです。また、平和構築や紛争解決は戦争学と学ぶ内容にかなりの差があります。

ダラム大学で平和構築を勉強されている日本人の方がブログにこれに関する自身の体験を記しているのを見つけたのでここで引用させて頂こうとおもいます。

 

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思い出されるのは一番最初の授業。
早めに教室につき、もちろん一番前の席を確保して、始まるのを今か今かと待ちながら、そしてわくわくで胸をはずませながら臨んだ初めての授業でした。
その初めての授業で、教授は平和構築の成り立ちについて、このように言い放ちました。
「今日、グローバル化の影響により、破綻国家から発せられる脅威は国内や近隣諸国にとどめておくことができず、テロや疫病などの形で我々の世界の平和と安全も脅かすようになった。我々が多大なコストを平和構築に払うのはこのためである。」
この、平和構築という学問の根底に通ずる大前提は、”世界で一番困っている人のために働く”というモットーをもってイギリスまできてみた私にとっては、悲しい衝撃でした。
安全保障専攻の読者がいたら笑うかもしれませんが、人が理不尽に死んでいくのがおかしいから平和構築しましょうって、ほかの学生だってそんなシンプルな理由で平和構築を学びに来ていると思っていたのです。
しかし、蓋を開けてみれば、クラスメイトのほとんどは私の属する"Peacebuilding and Conflict Prevention”コースではなく、”Defence, Development, Diplomacy”コースに属しており、防衛省NATO、軍隊などのキャリアを目指す、もしくはバックグラウンドを持つ学生がほとんどでした。
「今日の安全保障のためには、軍事的アプローチだけではなく政治、経済、司法など包括的な取り組みが必要だからね」
と語るアメリカ出身の学生もいましたが、結局自国の安全のための平和構築であって途上国で誰かが死んでいくことは第一義的な理由ではないようでした。
授業の初日から、プログラムの根底に通ずる価値観に対して失望してしまった一方、自分がどうしようもなく考えの甘い場違いな存在のような気がして、なんとも言えない沈んだ気持ちでした。

 

引用元、平和構築を学ぶジレンマ~前編・誰のための平和構築?<フツーな私が国連職員になるために~英国大学院留学編Vol.4>

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この様にかなり似通ったコースでも内容にかなり差があることがあり、もりかしたらイギリスに来た後になって思っていたのと違うことがあるかもしれません。授業内容などを詳細に読んで吟味する必要があります。

 

まず、安全保障や戦争学、国際安全保障学などを学びたい方に向けて、KCL戦争学部と似たような内容を学べる大学を紹介します。

 

1.セントアンドリュース大学、戦略学(Mlitt Strategic Studies)。

イギリス有数の名門大学です。他大学は普通政治学部の中に国際関係学科があるのですが、ここは国際関係学部があり、その中に戦略学部があります。Hew Strachanという戦史研究で世界的に有名な方がこの戦略学の授業を実際に教えています。

欠点として、北の果ての僻地にあります。ロンドンからエディンバラに行った後にさらにそこからバスで3時間程行った先にあります。しかもそのくせ寮費や家賃がロンドン並みに高いです。

その他にも類似のコースで

  • International Security Studies (国際安全保障学)
  • Terrorism and Political Violence(テロと政治暴力)
  • Middle East, Caucasus and Central Asian Security Studies(中東、中央アジアコーカサス地域の安全保障)

が提供されています。セントアンドリュース大学は中東研究とテロリズム研究でとても有名ですのでこれらもとても人気です。

 

ウォーリック大学、国際安全保障学(MA International Security)

比較的新しい大学ですのでイギリス国外での知名度が低いのが難点ですが、イギリス内ではかなりレベルの高い大学として知られています。このページを見ればわかるように選べる授業の種類が豊富です。また、アメリカ研究が盛んな事で有名であり、修士課程にアメリカ外交(MA US Foreign Policy)というのまであります。国際安全保障学にいれば、このアメリカ外交の授業は全て受けることが出来ます。

 

これらがKCL戦争学部にそこまで劣らない大学かと思います。特にセントアンドリュース大学は魅力的であり、僕もここからオファーを貰っているので少し悩みました。

その他、少しKCL戦争学部から選択授業や教授陣の豊富さ、大学そのものの知名度で劣ってしまうけれどレベルの高い大学を紹介します。学べる内容の面だけを見ればKCLに受かっていればこれらの大学を選ぶことは少ないかと思いますが、ロンドンから少し離れているのでKCLより安価で、さらに地方のほうがイギリス文化を経験できます。

 

 

 

ノッティンガム大学、国際安全保障とテロリズム(MA International security and Terrorism)

ノッティンガム大学はイギリス中部の名門校です。友人が行ってましたが評判はすごくいいです。あと英国一美しいキャンパスに選ばれたらしく、僕も所用で行きましたが物凄く美しいです。ロンドンには電車で2時間ほどかかります。中国に分校があり中国研究が盛んなので、中国も絡めて学びたい人にはここも勧めます。

余談ですが、ウィキペディアによると今話題のWTOのテドロスがここで博士課程を取ってるらしいです(笑)。マレーシアの汚職大魔王ことラザク前首相もここ出身です。

 

 

グラスゴー大学MSc Global SecurityまたはMA War Studies。

ベアトリス・ホイザー(Beatrice Heuser)さんという有名教授がいます。ロシアや東欧にも強いです。スコットランドにあり、さらにこの地方は雨がかなり降ります。

 

 

ユニバーサル・カレッジ・ロンドン(通称UCL)、MSc Security Studies

正直よく知りませんが、UCL自体の知名度が高いためここに書きました。最近できたコースかつキャンパスがキングスカレッジロンドンのすぐ近くにあり学費もほぼ同じ。また授業の選択肢もKCLと比べると少なめなのでKCLを受ける人たちの滑り止めだと聞きます。

 

以上がKCLと類似の修士課程を提供していて、なおかつレベルの高い大学群です。あまり数が多くありませんね。

国際関係学というもう少し幅の広い学問ではイギリス国内ではLSE、オックスフォード大学が2強であり、その後にケンブリッジ大学セントアンドリュース大学が続くと思います。これらの大学では安全保障分野の関連授業が取れるので、国際政治などを広く学びつつ安全保障も学びたいという人はこちらの方がいいと思います。

何故留学生はイギリスでなくアメリカを選ぶべきか?

時間的、金銭的に可能であれば絶対にアメリカを勧めます。

これは両国に滞在経験のある僕の個人的意見で、特に国際関係学分野での話です。また他の留学経験者から聞いた話も考慮しています。

「イギリスもアメリカもどっちもどっち。個人の好みで選ぶべき」という意見が多いのですが、僕ははっきりと、「行けるならアメリカ、無理ならイギリス」と言いたいです。大学自体のレベルはアメリカの圧倒的勝利です。これはイギリスも認めており、イギリスのトップ大学達はどうにかこれ以上引き離されない様に必死になっています。

 

以下にアメリカを選ぶべき理由を述べます。

 

1.英国の重要性の低下

アメリカでは欧州の最重要国家はドイツであるという意見でほぼ一致しています。かつて世界中に影響力を持った大英帝国の時代はイギリスへの理解が深いというのは国際情勢を理解するうえで重要だったのだと考えられますが、これからはもうそんなことないです。

イギリスの首相は誰か知らない人も多いと思いますし、前首相やその前の首相が誰か覚えている人はいるでしょうか?ちなみに2019年まではテリーザ・メイが、2015年まではデイビッド・キャメロンがイギリスの首相でした。2016年までアメリカ大統領だったオバマの事は皆覚えていても、キャメロンなんて知らないという人が多い気がします。このようにイギリスの国内政治の理解はもはやそこまで重要ではなくなっていると思います。

いいや、ここ数年はブレグジット関連のニュースが飛び交っていてイギリスへの理解は依然として大事だ、という意見があると思います。しかしイギリスの注目度がこのように高まったのは、スコットランド独立運動ブレグジット北アイルランドの分離運動などのイギリスにとっては良くない出来事が起きているからで、これらが過ぎ去ればイギリスは注目されなくなると思います。これらはある種イギリスの凋落を表すニュースであり、長期的に見たイギリスの地位の低下を表しているのだと思います。

その点アメリカは世界で最も強く豊かな国です。史上最強国家だという人も多いです。アメリカと言う国を理解することは日本にとっても、国際情勢を理解するうえでもとても大事です。日本では、アメリカは歴史が浅く独自の文化に乏しく歴史を知らないアホだ、みたいに貶める風潮が一部であると思うのですが(欧州や中東でもこの種の反米的偏見はあります。)、これはある種の嫉妬の入り混じった反応であると思います。「世界中で好き勝手やってる傲慢な超大国アメリカ」に対する反感から来る感情かもしれません。

それと関連して日本では、米国を過度に貶め逆にイギリスや欧州を持ち上げることで通ぶったり自分は他と違うんだなどと差別化を図る人たちが存在するように感じます。普通の人は知らないだろうけど裏にはしたたかな欧州がいてそれを俺は知っている、とでもいいたいのでしょうか?「さすがイギリスだ」とか「長い歴史に裏打ちされた洗練された欧州」、などと言う場合に、彼らが実際に自分で研究して理解した結果そのような結論に達したのか、ただ単に通ぶっているのかは分かりません。

しかしアメリカが最重要国家の1つであることに変わりはありません。アメリカで起きる事は常に世界を揺るがします。911や2008年の金融危機、トランプの当選などはとてつもない影響を及ぼしたと思います。実際にアメリカで生活することでアメリカへの理解が深まるのはアメリカ留学の最大の利点の一つだと思います。

 

2.人脈、ネットワーキング

これは現地学生と他国からの留学生に分けて話せると思います。

まず現地生ですが、イギリスのオックスフォード大学やケンブリッジ大学などの名門大学に留学し、イギリスの将来のエリートや指導者層との人脈を構築できる、という宣伝文句がありますが、先ほど話した通りイギリスの相対的地位の低下は顕著です。経済規模の底まで大きくなく、日本の半分の人口の国家のエリート予備軍と知り合ってもそれがどうなるのでしょうか?イギリスに将来住むなら話は別ですが。

アメリカの名門大学に行けば超大国アメリカのエリート層の人脈が出来る可能性があり、そちらの方が良くないでしょうか?

また、他国からの留学生と言う点では、現在はあまり大差ないです。ただ本当の最優秀層はアメリカのハーバードやプリンストン等のアイビーリーグに行くと思われます。欧州の優秀層も学費が出せればアメリカに行きますし、奨学金がもらえる最優秀層ならばアメリカを選ぶ人が多くても不思議ではないと考えられます。イギリス留学の魅力の一つはヨーロッパ中の知り合いが出来ることだったかもしれませんが、イギリスのEU離脱でこれからは欧州大陸からイギリスへの留学生は少し減少すると予想されています。

アフリカや中東、マレーシアやシンガポールなどの旧植民地ではまだ旧宗主国イギリスのブランドは強く人気は根強いらしいのですが、アメリカの名門校でもこられの国々からの留学生は多いです。

また、日本の灘高校の2020年の進学実績を見ても、ハーバード、イェール、プリンストン、MITに各一人ずつ進学していますが、イギリスには一人も進学していません

これらアメリカの世界トップの大学に行けるのにイギリスのオックスフォード大学とケンブリッジ大学に進学するのは僕は勧めません。ハリーポッターが好きで好きでたまらないんだ!とかいう特別な理由があるなら話は変わりますが。灘高校の生徒がイギリスではなくアメリカを受験する理由は僕にはわかりませんが、その選択は正しい気がします。

 

3.大学そのもののレベルの差

これは資金力に差よるのだと思います。優秀な教授を確保でき、優秀な博士学生を豊富な奨学金で取り、彼らが将来活躍し大学の名声を高め、さらに彼らが寄付してくれるお金で優秀な教授陣と学生を’確保するという循環があると思います。

僕の知る国際関係学や政策大学院の分野ではこの米英間の差は顕著です。修士課程においてこれがはっきり表れるのが学べる授業の豊富さです。

例として、アメリカの国際関係学の名門フレッチャースクールのこのページでは歴史、外交、政治分野での授業のリストが見れるのですが、僕が今数えたところ140個程あり衝撃を受けました。

比較対象としてイギリスのロンドンスクールオブエコノミクス、通称LSEの国際関係学修士ではこのページにあるように34個です。これでもすごく多いのですが、、

ちなみにイギリスの国際関係学分野でLSEはナンバーワンです。

 

 

この様に国の重要性、将来の人脈、学問の充実度などほぼ全ての項目でイギリスはアメリカに完敗しているのが現状だと思います。それでは何故いまだにイギリスが留学先として人気があるのかと言うと、

 

  1. 欧州にあるという地の利
  2. なぜか良く分からないが高いブランド力
  3. 2年ではなく1年が良い
  4. アメリカより安い
  5. イギリスが世界トップの学問をしたい

 

という理由が考えられます。

1.欧州の地の利

とにかく欧州大陸への旅行が安いです。ロンドンからだと飛行機往復1万円行かないことも多いです。イタリアやスペインへ片道3時間ほどのフライトですので金曜の昼に出発して日曜の夜、又は月曜にイギリスに帰ってこれる計画が立てられます。これは文句無しに素晴らしいです。また多様な分野で長い歴史を誇る欧州各国の観光地に比べるとどうしてもアメリカは見劣りしてしまうことがあります。勿論ここは個人の好みの問題ですが。

ヨーロッパは依然として本当に魅力のある場所だと思うのでこの点は重要だと思います。

 

2.謎のブランド力

イギリスは良く知りませんが良いイメージがあると思います。イギリス英語って上品という印象もあるかと思います。日本に帰った時に印象が良いというのは大事かと思います。僕個人の経験でも、中年層以上の方だけではなく、なぜか同年代の間でもこの様なイギリスへの好印象や憧れが存在すると感じます。

外務省の英語研修の方々もアメリカとイギリスで分かれると聞きますし、オックスフォード大学は外交官の方々の留学先として選ばれるようです。

また、日本の皇室の方々も留学先としてイギリスを選択しますね。これは僕はさっぱり理由が分からないのですが、、。皇室同士のつながりとか伝統なのでしょうか?

 

3.1年が良い

これは至極まっとうな理由です。一年で修士が取れるのは大きいです。他国からの留学生と話してもこの理由は常に上位に位置します。早く仕事に戻りたい人、また会社からの派遣でそもそも1年しか許されない人にはイギリスが候補になるのは当然ですね。

 

4.アメリカは高すぎる

アメリカの私立の名門校は学費だけで年間600万円くらいします。こんなの誰が払えるのかと思いますが富裕層はだすんでしょうね。そもそもイギリスやアメリカの私立中学、私立高校は学費が年間400万円くらいします。

奨学金が取れたり学費が調達できる方はアメリカを考える方がよろしいかと思います。

 

5.イギリスで進んでいる学問を学びたい

僕は自分の専門以外の分野を語れないのですが、例えばイギリスは開発学がとても進んでいると聞きますね。そのほかにイギリスでアメリカより進んでいる学問分野って存在するのでしょうか?僕には思いつきませんが多分あるのでしょう。

 

 

僕がアメリカではなくイギリスを選んだのもほぼこれらの理由からです。勿論ハーバードから全額奨学金を貰ってたら100%そちらを選んでました(笑)。誰でもそうしますね。

まず一年でアメリカより安いという理由が一つ。

二つ目の理由がKCLがロンドンと言う世界有数の国際都市に位置するという事。

しかし何といってもキングスカレッジロンドン戦争学部がこの分野で世界的に有名であるのが大きいです。そもそもイギリス人はそこまで多くなく、最大勢力がアメリカ人です。イギリスでは珍しくこの分野でアメリカの名門大学にそこまで劣らない授業の質や幅が確保されているとも感じました。

 

 

以上ですが、今回の投稿がイギリスをけなしていると思わないで下さい。僕自身イギリスの歴史や文化のファンです教育の質や学生の真剣さもとても高いと思います。ただ単にアメリカの名門大学が桁違いなだけです。そもそもイギリスの3倍ほどの学費を取るのですからそうで無くてはいけないと思います。

アメリカのトップ校に入る学力や時間、金銭面での余裕がない人にとってはイギリスは間違いなく素晴らしい留学先です。そもそもそうでなければ僕もイギリスに進学しません。

 

次回はKCL戦争学部を受験する方に勧める併願校をいくつか紹介しようと思います。

キングスカレッジロンドン戦争学部の紹介

戦争学部はキングスカレッジロンドン(以下KCL)の看板学部です。戦争や安全保障を扱う教育研究機関としては欧州最高の評価を得ていると思います。

僕が直接聞いたなかでも安全保障や外交分野で働いている人は皆KCL戦争学部の評判を知っていて、僕がここにアプライする予定だと言うと皆賛成してくれました。また日本からもほぼ毎年中央官庁から国費留学生が派遣されていると聞きました。

ソースは?証拠出せ。という人はごもっともですね。取り敢えずここにKCL戦争学部の著名な卒業者リスト(英語)を張っておきます。Notable alumni and students ってとこ見ればわかります。

誰も知らん、って怒られると思うのですが、このリストに載ってるのは皆各国の政府高官、高位の軍人、高級官僚、学者とかですし正直僕も誰も聞いたことないです(笑)。米国や欧州の外務省や防衛相、軍のお偉いさんとか僕ら一般人は普通知らないですし。でも取り敢えず米国、英国、欧州、旧英国植民地、中東などから将来の政策立案者や将校が勉強の為に送り込まれるということが分かるのかなと思います。

特にアメリカ人が最大勢力らしく、安全保障や外交分野でのキャリアを目指すアメリカ人が大勢学んでいると聞きました。以前アメリカに滞在していた経験があるのですが、彼らの間でKCLは評判が良く、欧州の戦争学のトップ校として認識されていると思います。

 

修士課程に出願する際に僕自身結構リサーチしましたが、イギリスやその他ヨーロッパの修士課程を見ても、安全保障分野ではキングスカレッジロンドン戦争学部に量、質ともに匹敵する場所はほぼ無いと思います。勿論とても有名な学者が他の大学で教えていたりしますが、いても数人であり、また修士過程で授業を教えてないことも多いです。

 

また、他の有名校、たとえばオックスフォード大学やケンブリッジ大学修士では、国際政治や国際関係学といった名前の修士があり、例えば修士課程全体で6つ取らなければならない授業の内安全保障分野での授業は1,2個しかない、という様な場合がほとんどです。この選択授業の種類の豊富さという点では英国は米国の名門大学院には手も足も出ません。多分全てのカテゴリーでアメリカの有名校はイギリスの名門校より遥かに優れています。

 

授業の豊富さでKCLはイギリスでほぼ唯一アメリカのトップ校に匹敵すると思います。このリンク先の2017、8年の授業リストを見てください。修士課程の戦争学部の授業だけで51個あります。これは他の大学、例えば有名なエディンバラ大学の国際関係学の修士課程の授業リスト(リンク先)とくらべてもKCLが倍ほどあるとわかります。

さらに安全保障分野の授業だけをちまちま確認したところ(定義が難しいのですが)、KCLが48個に対してエディンバラ大学は6個でした。イギリスの大学院では6個でもすごく多い方で普通は3個くらいです。国際関係学を学ぶ一環としてInternational Security(国際安全保障)等と名のついた授業を取るのが普通です。。

調べたい人は「international security studies masters in the uk」などとグーグルで検索すると大量に出てきます。それと、僕のブログに来ていただいた方々に言うのもなんですが、最新の情報や正確な情報が欲しい場合は英語で調べた方が良いです。

ただ修士課程の国際関係学(International Relations)というのはおそらく全ての大学にあります。あまり有名でない大学や、評判のそこまで良くない大学にはたして留学すべきかどうか、僕は分かりません。

 

何を使って判断すればいいのかと言われても悩むのですが、とりあえずこのサイトで紹介されているラッセル・グループと言うイギリスのトップ大学群は大体良いのでは?アメリカのアイビーリーグのイギリス版と言っていますが実力は野球で言う米国メジャーリーグ韓国プロ野球リーグくらい差があると思います(笑)。個別で質問ある場合はコメントしてくれれば答えます。

 

最後に2020年現在でKCL戦争学部で提供されている修士課程を紹介します。逐語訳なのは大目に見てください。

  1. 分断された社会における紛争解決
  2. 紛争、セキュリティー、開発
  3. 戦史
  4. 国際紛争研究
  5. インテリジェンスと国際安全保障
  6. 国際関係学
  7. 国際関係学と現代の戦争
  8. 国家安全保障
  9. 科学と国際安全保障
  10. 戦略的コミュニケーション
  11. テロ、安全保障、社会
  12. 戦争学

の12種類の修士課程があります。僕が行くのは最後の戦争学(MA War Studies)です。興味があったりより詳しく知りたい方は詳細、例えば実際にこれらの必須授業が何なのか、このリンク先から全て閲覧可能です。

さらにすべてオンラインで取得可能な「現代社会における戦争(MA War in the Modern World)」という修士課程も存在します。このオンラインの修士課程についてインディペンデンス紙が記事を書いてます

 

何かあったらまた追加します。